研究課題/領域番号 |
04215218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
田端 正明 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40039285)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 金属ポルフィリン / 反応中間体 / ヘテロニ核金属錯体 / 反応速度 / ポルフィリン / EXAFS / 溶液内構造 |
研究概要 |
金属ポルフィリンの生成反応における反応中間体の反応性と構造を反応速度およびX線吸収微細構造解析法(EXAFS)より研究した。 (1)水銀(II)ポルフィリン錯体と銅(II)との置換反応。2個の水銀(II)がポルフィリンに結合したホモ二核金属錯体と銅(II)との置換反応は2段階でで進み、それぞれの反応速度の化学種の濃度依存性は水銀(II)と銅(II)がポルフィリン1分子に同時に結合したヘテロ2核金属ポルフィリン錯体の反応中間体であることを示した。反応中間体の生成をラピッドスキャン法による測定した。564nmの吸光度の変化は545nmの吸光度変化に比べて小さく、反応中間体は水銀(II)と銅(II)が結合していることが分かった。(2)EXAFS法による水銀(II)ポルフィリン錯体と銅(II)との反応の研究。酢酸緩衝液(pH5.6)中で反応前後の溶液のEXAFSを水銀及び銅の吸収端を用いて測定した。反応物の酢酸水銀(II)は正四面体でありHg-O(CH_3COO^-)の結合距離は219pmである,Hg-O(H_2O)は262pmである。水銀(II)ポルフィリンでは水銀(II)は2個の窒素原子と1個の酢酸イオンと結合している。水銀(II)ポルフィリンと銅(II)イオンを混合すると銅(II)ポルフィリン錯体と酢酸水銀(II)が生成する。酢酸銅(II)はアキシャル位が225pm、エカトリアル位が197pmであった。銅(II)ポルフィリン錯体は平面4配位であり、アキシャル位には水分子の結合は観測されなかった。Cu(II)-Nの結合距離は200pmである。(3)混合原子価銅(II)-銅(I)ポルフィリン反応中間体。還元剤は銅(II)ポルフィリン錯体の生成を10^4倍も促進する。還元された銅(I)のイオン半径(98pm)は銅(II)イオン半径(72pm)に比べて非常に大きいので、ポルフィリン環の中に入れず水銀(II)のようにポルフィリン環を歪ませる。
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