研究分担者 |
入船 徹男 愛媛大学, 理学部, 助教授 (80193704)
金嶋 聰 東京大学, 理学部, 助手 (80202018)
末次 大輔 建築研究所, 研究員
坪井 誠司 東京大学, 地震研究所, 助手 (90183871)
渋谷 拓郎 京都大学, 防災研究所, 助手 (70187417)
|
研究概要 |
内核を伝わるS波(PKJKP)は,内核が個体である直接的な証拠となる重要なフェイズであるが、まだはっきりとは捉えられていない。ここでは、日本列島に展開された短周期地震計アレイ(J-Array)と日本列島および東アジアに展開されている広帯域地震観測網で観測された,南米で生じたやや深発および深発地震がらの記録をデータとして用い,検出を試みた。スタックキング等色々な手法を用いてシグナルを強める工夫を試みたが,結果としてPKJKPは検出されなかった。理論的にも非常に小さな振幅になり、検出が困難であることは当初から予想されていたが、今後もデータセットを増やし,検出の努力を継続していく必要がある。 なお、核の構造については、同様なデータセットを用いて,短周期走時や波形のモデリングを通して,核の溝造を求めた。まず、各コアフェイズ間の相対波形のモデリングにより、ICB(内核-外核境界)付近の構造を求めた。また、日本列島下の地殻,マントル構造の速度異常をコア反射波PcPを用いて見積り,核内における絶対的な走時異常を求め,核全体にわたる構造を求めた。両者とも,内核最上部に標準モデル(PREM,IASP91)よりも低速度の領域を持っている。今後は,絶体走時の見積りの精度を挙げモデルの改良を計りたい。また、細かな波形モデリングにより核の微細構造を明らかにしたい。
|