研究課題/領域番号 |
04216205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
土山 明 大阪大学, 教養部, 助教授 (90180017)
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研究分担者 |
植田 千秋 大阪大学, 教養部, 助手 (50176591)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 元素分別 / 同位体質量分別 / 蒸発凝縮実験 / Mg-Si-Fe-S-O-H系 / 原始太陽系星雲 / 地球核-マントル化学組成 / 二次イオン質量分析計 / 同位体線分析 |
研究概要 |
地球型惑星を構成する主要元素系(Mg-Fe-Si-S-O-H系)の蒸発凝縮のカイネティクスとそれに伴う同位体質量分別について研究をおこなった。(1)これまでデータのなかったFeSの非調和蒸発について実験をおこない、非調和蒸発で一般に予想される放物線則と異なり、蒸発が時間に比例しておことることを明らかにし(直線則)、その速度定数を決めた。このとき、Sの同位体分別は測定の誤差範囲内で認められなかった。(2)Mg珪酸塩の凝縮実験をおこない、26^<Mg>124^<Mg>同位体分別について、ガス分子と結晶との衝突が十分におこらないような非平衡条件では数十‰以上の大きな分別が、また衝突が十分におこるような平衡に近い条件では数‰以下のわずかな分別しかおこらないことを明かにした。(3)実験生成物や天然試料の同位体組変動の空間分布を得るために、二次イオン質量分析計を用いた同位体のinsituでの線分析法を開発した。以上の研究成果とこれまでに得られているデータをもとに、地球核マントルの化学組成について議論した。地球物質のS,Siの同位体組成変動を説明するには、Sが相当量核に含まれている、またSiについては原始太陽系星雲で同位体平衡にあったガスとMg珪酸塩が分離したか、あるいは余分のSiが下部マントルまたは核に存在しているかのどちらかであると考えるのが妥当である。今回使用したデータの一部にはまだ完全でないところがあるので、得られた結論は与察的なものであるが、本研究はダイナミックな原始太陽系星雲と地球核-マントルの化学モデルの最初の試みといえる。
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