研究課題/領域番号 |
04216209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
渋谷 秀敏 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (30170921)
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研究分担者 |
林田 明 同志社大学, 工学部, 助教授 (30164974)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 古地磁気 / 堆積物コア / 地磁気イベント / 松山逆磁極期 / ODP |
研究概要 |
ODP124次航海のSite768の試料768B10H2 80cm-150cmとSite769の769B9H3 50cm-150cmの試料についての詳細な古地磁気測定を引き続いて行なった。この層準はODP船上の通過型超伝導磁力計の測定で短い地磁気イベンとが見つかっているところで、前年度の研究で、それが、薄切り試料の5cm毎のパイロットサンプルの段階熱および交流消磁測定でも同様に見られることが明らかになっている。その段階消磁結果から、本年度は残りの試料を一つ置きに320℃の熱消磁と10mTの交流消磁を施すと共に、残留磁化を担う磁性鉱物の検討も行なった。薄切りにしたこともあって、全体の磁化が弱く、また、二次磁化も影響して、すべての試料の磁化方向がスムーズにつながるという訳には行かなかったが、問題のイベントの上限下限を決定することができた。上下の地磁気反転、すなわち、ハラミヨイベントの上限とブリュン/松山境界の年代から、この逆転の年代と期間を推定すれば、二本のコア共、0.86Ma付近で一千年ほどの正帯磁のイベントであることが明らかになった。 このように短いイベントは、特に堆積物の測定では、これまでにも沢山報告されている。しかし、それらが地磁気の逆転を記録したものであるのか、試料の問題や測定上の問題なのか、懐疑的な古地磁気学者も少なくない。今回の報告がこれまでと異なる点は、1)数百km離れた、2地点のコアから、時代、期間とも非常によく一致する記録が得られたこと、2)いずれのコアの記録も非常に安定で、評価の定まらないイベントを設定する必要のある層準はこの層準だけであること、である。ただ、薄切りの測定のもう一つの目的であった、逆転途中の磁場の変化を見ることは、逆転時は磁場が弱いので、磁化も弱くなり、二次磁化との見分けが付きにくいこと等から、方位の議論は難しかった。測定時の二次磁化を避けるために、無磁場の実験室の整備が強く望まれる。
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