研究課題/領域番号 |
04217208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
永瀬 茂 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (30134901)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 高周期典型元素化合物 / 多面体化合物 / 芳香族化合物 / クラスター |
研究概要 |
高周期典型元素に特徴的な結合様式や原子価拡張能力および化学相互作用をできるだけ統一的観点から明らかにし、既知の炭素化合物にはみられない新しい構造や物性および機能をもつ多面体化合物、芳香族化合物、およびクラスターを理論計算により開発した。このために、有機化学で中心的な役割をなしている炭素と同族の高周期14族元素(ケイ素、ゲルマニウム、スズ,鉛)と隣接の高周期15族元素(リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス)を主に取り上げた。これらの高周期典型元素を骨格にもつ化合物の結合様式、電子状態、構造、および異常原子価を系統的に明らかにすることにより、適用範囲の広い新しい結合と反応の一般則を確立することを試みた。そして、新規な性質と結合を持つ分子の設計に有用な幾つかの理論予測を与えた。具体的には以下の成果を得た。 ○ヘテロ元素を架橋させた一連の異常な原子価と結合を持つ新規な高配位オリゴマー分子を理論的に開発し、結合、混成、物性を明らかにした。 ○高周期典型元素を骨格にもつ多面体化合物、芳香族および反芳香族化合物の歪みエネルギー、芳香族エネルギー、安定性への置換基の電子論的効果を研究し、σドナー性の強いあるいはπアクセプター性の強い置換基の導入が極めて重要であることを見出した。 ○高周期典型元素を骨格にもつクラスターの結合、電子状態、原子価の特性を明らかにするために、最近大きな注目を浴びているC_<60>やC_<60>H_<60>の骨格炭素を高周期典型元素で置き換えるとどのような新規な特性が得られるかを系統的に明かにした。また、これらの球状クラスター内部に原子やイオンを捕獲する能力を明らかにした。 ○高周期典型元素を骨格にもつ多環状化合物の橋頭位結合はイオン化によってどのような特性を示すかを明かにした。
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