研究課題/領域番号 |
04217217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
奥山 格 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (40029484)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1992年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | スルフィン酸エステル / 酸素同位体交換 / 標識化合物 / 超原子価中間体 / 開環反応 / 閉環反応 / 環歪み |
研究概要 |
環状スルフィン酸エステル、3H-2、1-ベンツオキサチオール1-オキシド(1)および3、4-ジヒドロ-2、3-ベンツオキサチイン1-オキシド(1)および3、4-ジヒドロ-2、3-ベンツオキサチイン1-オキシド(2)、は、アルカリ性水溶液中では開環するが、酸性水溶液中では逆に閉環反応を起こすことがわかった。これらの反応ではいずれも、5員環状の1の方が6員環状の2よりも高反応性であった。酸素-18で標識した基質は、酸性水溶液中ど徐々にO-18消失速度から酸素同位体交換の速度を求めた。同位体交換速度は1よりも2の方が速かった。2について、紫外吸収スペクトルを用いて酸性条件における閉環反応の平衡定数を測定したところ3、2MHClO_4中でK=20であった。この平衡定数はHClO_4の濃度ととも増大し、過塩素酸塩が平術に影響を及ぼすことが明らかになった。O-18交換反応が可逆的な開環と閉環を経て進行するものと仮定すると、速度定数から手衡定数を計算することができる。この計算値は、紫外吸収スペクトルから求めた値とよく一致した。すなわち、酸素同位体交換は、可逆的な開環と閉環を経て起こっていると結論され、これらの反応が超原子価中間体を進行しているという証拠は見つからなかった。理論計算により、1の高反応性はその環歪みによるものであることが明らかになった。一方、酸性条件における2の高反応性は、その塩基性の大きさ、すなわちプロトン付加の起こり易さの基づくものであることが示唆された。
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