研究課題/領域番号 |
04217218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
和田 正徳 鳥取大学, 工学部, 教授 (30029053)
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研究分担者 |
早瀬 修一 鳥取大学, 工学部, 助手 (50238143)
撰 達夫 鳥取大学, 工学部, 助教授 (60032025)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 2,6-ジメトキシフェニル誘導体 / 3級ホスフィンオキシド / ヒドロキシ3級ホスホニウム塩 / 3級ホスフィンスルフィド / アミン付加体 / 有機スズ錯体 / 結晶構造解析 |
研究概要 |
トリス(2.6-ジメトキシフェニル)ホスフィンオキシド(2.6)_3PO[(2.6)=2.6-(MeO)_2C_6H_3]は二塩化ジメチルスズMe_2SnCl_2と1:1錯体しか形成しない。X-線結晶解析の結果、Me_2SnCl_2の錯体には珍しい5配位(三角両錐)構造をしており、MeO基酸素のスズへの配位はないことが分った。Sn-O距離[2.205A]はこれまでに報告のある他の錯体のSn-L(O-donor)距離[2.27-2.56A]よりかなり短く、(2.6)_3POの配位が強いことが分る。P=O結合距離は1.513Aであった。 (2.6)_3とトルエンからも一水和物として結晶化する。この無水物はPh_3PSには見られない高い求核性を有し、塩化ブチルとも容易に反応してアルキルチオホスホニウム塩[(2.6)_3P-SBu]Clを生成する。また、Ph_3PSがMe_2SnCl_2と錯体を形成しないのに対し、(2.6)_3PSは1:1錯体を形成する。X一線結晶解析の結果、(2.6)_3PS.H_2OのP=S距離[1.971A]はこれまでの解析例中でも最も長いことが分った。また、P-C距離[1.845,1.842,1.833A]もPh_3PSのそれ[平均1.817A]よりかなり長い。結晶水の酸素原子は(2.6)_3PSのイオウ原子の近傍に存在し[S---O距離3.365A]、両分子が水素結合をしている可能性が高い。 [(2.6)_3P-OH]ClO_4は各種のアミンと1:1付加体として共晶する。この付加体のX一線結晶解析を行ったところ、P-O-H-N結合のO---N距離が2.65(2)Aとかなり短いことが分った。 また、いずれも6つのMeO基酸素とリンとの原子間距離がvan der Waals'半径の和[3.3A]よりも短く、MeO基酸素がリン原子へ配位していると考えられる。この結果、P=O酸素原子やP=Sイオウ原子上の電子密度が増加し、これらのルイス塩基性を高めていると考えられる。
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