研究課題/領域番号 |
04218206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
片山 芳文 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (20014144)
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研究分担者 |
辰巳 仁史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (20171720)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 腸運動 / 自律分散制御 / アウエルバッハ神経叢 / 神経細胞 / 神経回路 / シナプス伝達 / 成長錐 / フィロポディア |
研究概要 |
本年度の研究実施計画に従って、1)モルモット小腸の腸神経系における神経伝達の調節機構の生理学的研究を行い、2)ビデオ強化型高倍率微分干渉微鏡による神経回路形成の基礎過程を検討した。3)本重点領域研究の最終年度に当たり、三年間にわたる研究から腸神経系における自律分散システムについて考察した。 1.腸神経系(主にアウエルバッハ神経叢)における神経情報の伝達・処理機構を調節する生理活性物質を探索し、その作用機序を解析するたけに、エンケファリン、ATP、L-DOPAなどの内因性物質の他に、TN-871など外来性物質についても検討した。これらは全てシナプス前性に低濃度でシナプス伝達を促進し、高濃度では抑制した。 2.モルモット腸神経やラット海馬ニューロンを単離・培養すると、3-24時間培養で神経突起に成長錐が形成される。この標本に高濃度K^+液を局所的に投与すると成長錐の形態に変化が起こり、引き続いてフィロポディアの形成と伸展が起こった。フィロポディア先端の運動を分析した結果、ブラウン運動であることが分かった。 3.腸管の各部を中枢神経から完全に離しても腸運動はほゞ完全に保存される。腸管局所の内容物の量や性状、さらに隣接する部分の運動や緊張状態等に応じて腸運動が組織される。このように腸管の感覚は、本来、中枢とは無関係にその場の神経組織を介してただちに運動に移される。腸神経系はいわば"極微の脳"として腸管に散在し、それぞれが独立した局所機能を発現しながら、腸管全体として調和のとれた消化・吸収という腸管の"目的"に合致した機能に発展していく。
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