研究概要 |
米澤グループでは、多数の並列オブジェクトとよばれる自立した実行主体(ソフトウェアモジュール)で構成されるシステムに関するレフレクションについて研究し、並列オブジェクトそれぞれあるいその一部が,自己やその外部環境に関するの[表現]を内蔵して、これを操作することにより柔軟性の高い進化が可能になるシステムの構築をめざした。その結果、そのようなシステムを記述するための2つのプログラム言語RbClとABCL/R2を設計・実装した。 佐々グループでは、属性文法に基づくリフレクティブ構成モデルの研究の一環としてインクリメンタル属性評価法について研究した.まず、その基礎となるインクリメンタルLR構文解析法について研究し、属性評価の部分をつけ加え,プロトタイプを作成した.このインクリメンタルな属性評価器は,ソースプログラムを外界,属性付解析木をシステムと考えると,リフレクティブな計算モデルの実現になっている. 大内グループでは、リフレクティブな関数型言語の形式的仕様を,項書き換えシステムとして実行可能なように代数的に記述する方法を確立しその結果,インプリメンテーションに先立って,項書き換えにより直接実行でき、かつ一階等式論理に基づいているので機械的な推論にがある程度可能になった。また実際にBrownというリフレクティブ言語の代数的仕様を作成し,それをCLOS(Common Lisp Object System)で実装した。 中島グループでは、リフレクションのマルチメディアUIMSへの応用について研究した。マルチメディアUIMSでは、今までのUIMSとは違い動画、音声などの動的なデータを扱う必要がある。さらに、マルチメディアのデータ一般を統一的に扱うためには、動画、音声などの基本的なデータを組み合わせたデータを考える必要がありこのような複合データは、再生順序などの制御の概念を含んおり、この複合データをリフレクションの概念を使って系統的に管理することに成功した。
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