研究課題/領域番号 |
04219203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
渡辺 豊英 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80093342)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | オブジェクト指向モデル / エージェント指向モデル / オブジェクトと場 / 自律性 / 連携性 / 協調性 / オブジェクトの集団活動 / オブジェクトの動的な性質変化 |
研究概要 |
オブジェクト指向モデルは実世界の現象を実体の性質と機能に基づいて表現し、その作用をメッセージ・パッシングの下に構成可能とする。今日まで、様々な情報システムの設計・構成、種々の問題解決に用いられてきた。しかし、オブジェクトの静的な特性表現に基づいたパラダイムは、動的な振舞いを記述するには必ずしも充分な枠組みを提供していない。本研究課題では、オブジェクトの自律性、連携性、協調性という機構により、動的な活動域におけるモデリング技法の開発、及び応用システムの試作を図る。これらの機構に対して次の視点より検討した。 (1)自律性:オブジェクトが動的に振る舞うには能動的には特性と判断機能が必要である。オブジェクトの定義・生成時に対して個別化機構を開発した。(2)連携性:オブジェクトが相互に作用して種々の関連する問題を処理するには、単にメッセージ・パッシングという送付先、送付元の同期的な機構では不十分である。オブジェクト間の依存関係を動的に制御可能な枠組みの下に統制機構を開発した。(3)協調性:オブジェクトが相互に作用して複雑な問題を協同的に処理するには、単一の通信機能だけでは不十分であり、種々の通信方式の下に処理目標、処理状態を共有する機構が必要である。オブジェクト間の相互関係を動的に交信可能な枠組みの下に協力機構を開発した。 連携性と協調性は相反するモデル化の視点であるが、実世界の現象にはこれらが背反的に観察される。連携機構については秘書の仕事を処理対象に、賢い秘書の処理方式の実現を図った。協調機構については組織体における個人予定表を処理対象に、予定行事の整合、管理方式の実現を図った。また、自律機構についてはオブジェクトをクラスの下に定型的に定義された性質をインスタンスとして個別代できる生成方式の実現を図った。
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