研究課題/領域番号 |
04220109
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
渡辺 裕 愛媛大学, 工学部, 助教授 (40114722)
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研究分担者 |
平田 雅人 九州大学, 歯学部, 助教授 (60136471)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | イノシトール1,4,5-三リン酸 / 類縁体 / アフィニティークロマトグラフィー / 光親和性標識化合物 / PLC |
研究概要 |
イノシトール1,4,5-三リン酸(IP_3)の2位あるいは3位を修飾した類縁体の合成とその生物化学的利用について検討した。まず、2位の水酸基をアミノベンゾイル化した類縁体の合成ルートとして、ホスホニウム塩を活性種とする新しいリン酸化法を見いだし、これによって効率的に目的の合成が達成できることとなった。この類縁体に、可視化のためのビオチン部と光分解性基としたアジド基あるいはトリフルオロメチルジアジリニル基を同時に有するリジン誘導体あるいはサリチル酸誘導体をジアゾカップリングで統合させ光親和性標識化合物の合成を完成した。これらとIP_3代謝酵素を混合し光を照射するとタンパクのある部分が標識されることが明らかとなった。今後、この手法で得られる標識部位の特定を行うことにより活性部位の探索が進められるものと期待される。同様に、上記の類縁体を利用してIP_3を樹脂に固定化し、アフィニティークロマトグラフィーを行いIP_3親和性タンパクの単離精製を試みたところ、PLCδと共にこれまで報告されていない新しいタンパク質を発見することができた。このものの機能を中心に種々性質を現在調査しいる。また、前者の酵素もIP_3との親和性の高さが示唆され、生理機能との関連で興味がもたれる。一方、3位ベンゾイルIP_3の合成に成功し、そのものの生物活性を調べたところ、2位類縁体とは異なり5-ホスファターゼに対してのみ活性のあることが明らかとなった。この性質を利用して特定のタンパクの精製や活性部位の検索ができるものと期待される。 なお本研究の中で、上述のリン酸化法を検討中に、トリアルキルホスファイトのエステル交換反応がテトラゾールによって触媒を受ける事実を見いだし、同時に交換反応の中間体としてホスホラン誘導体が存在することをNMRの観測により証明した。
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