研究課題/領域番号 |
04224103
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 良一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10107550)
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研究分担者 |
山口 貞衛 東北大学, 金属研究所, 教授 (80005892)
遠藤 康夫 東北大学, 理学部, 教授 (00013483)
石田 洋一 東京大学, 工学部, 教授 (60013108)
伊藤 文武 群馬大学, 工学部, 教授 (60005907)
藤井 保彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (00013524)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
38,600千円 (直接経費: 38,600千円)
1992年度: 38,600千円 (直接経費: 38,600千円)
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キーワード | 金属人工格子 / 構造解析 / 弾性異常 / 巨大磁気抵抗効果 / X線トポグラフィー法 / 電子顕微鏡 / ラザフォード後方散乱法 / 中性子回折 |
研究概要 |
X線回折トポグラフィー法による面内方向での膜の均一性を測定することに成功した。スパッタ法により作製したAu/Co人工格子では、膜の縁の部分よりも中心部でのサテライトピークが大きいことから、中心部の構造が優れていることが明らかにされた。 高解像度の電子顕微鏡による人工格子の構造解析も行った。Co/Pd人工格子は、柱状構造になっていて、積層方向での結晶粉粒の長さは積層周期よりも長いことがわかった。一方、Ag/Co人工格子では柱状構造は観測されなかった。 ラザフォード後方散乱およびメスバウアー分光を用いて、Fe系人工格子の構造を調べた。Ag/Fe人工格子では界面がシャープであり、Feはbccであることがわかった。これに対し、Sn/Fe、Zn/Fe、Hf/Feでは界面で拡散が起きていて、金属間化合物が形成されていることが明らかになった。 高圧下でのX線回折実験がSOR光を用いて行われた。この実験では10GPaまでの静水圧をかけることが可能である。その結果、Au/Ni、Mo/Ni人工格子では、積層方向の弾性率がバルクの値に比べて非常に増加していることがわかり、弾性異常を確認することができた。 また、巨大磁気抵抗効果の起源を調べる目的で、中性子回折実験により金属人工格子の磁気構造が調べられた。Fe/Crの場合、磁場中では、人工格子の周期に対応するピークのみが観測されるのに対して、無磁場では人工格子の2倍の周期に対応するピークも観測されたことから、隣合うFe層の磁気モーメントは反平行に配列していることが結論された。また、Fe層とCr層の間の界面では磁気構造が乱れていることが発見され、このことが巨大磁気抵抗効果の起源であることが示唆された。
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