研究課題/領域番号 |
04224211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
鳥養 映子 山梨大学, 工学部, 助教授 (20188832)
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研究分担者 |
永嶺 謙忠 東京大学, 理学部, 教授 (50010947)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 人工格子合金 / スピン揺動 / 低次元磁性 / ミュオンスピン回転 |
研究概要 |
エピタキシャル成長させたSb層(49層)の上に、Mn単相を蒸着すると、金属Sbとは融け合わない金属間化合物MnSbの原子層が形成される。これをくり返して、磁性MnSb層を非磁性のSb層でサンドイッチ状にした人工格子膜は、MnSb単原子層面内のみに磁気相互作用が働く、理想的な2次元強磁性体である。我々は、このような2次元強磁性体の相転移に伴うスピン揺動を観測するために、ミュオンスピン緩和法を適用した。人工格子膜の成長基板として用いられているポリイミド膜に止まるミュオンのバックグラウンドを除去するために、様々の工夫をこらした後、我々はようやく磁気転移に伴うスピン揺動の発散的増大を捉えることに、成功した、このように極端に薄い磁性体のスピンダイナミクスが観測されたのは、初めてのことである。 非磁性Sb層に挟まれた強磁性層の層数(ML)を、1〜3層にかえた3種類の試料を用いて、内部磁場の成長をモニタする放出ポジトロンの非対称性と、その時間変動を表す緩和率の温度変化を、詳細に調べた。1MLでは、25K付近に顕著な緩和率の増大が現われ、相転移であることがミクロに検証された。しかし、非対称性は250K付近から変化を示し、Tcの10倍という高温から短矩離相関が始まるという、低次元系固有と考えられる現象が捉えられた。また2MLでは、275付近に緩和率のピークがあり、さらに降温すると再び5Kに向って緩和率が増大した。帯磁率測定との比較から、高温側のピークがTcと考えられるが、低温側の増大が、遂次相転移のオンセットを示すのか、あるいは試料の膜厚の不均一性によるものなのかは、今後の研究課題として残った。これらの研究成果は、第一回国際多層膜シンポジウムで発表された。
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