研究課題/領域番号 |
04225234
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
小野 高明 理化学研究所, 太陽光エネルギー科学, 副主任研究員 (10175268)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 光合成酸素発生 / Mnクラスター / X線吸収法 / 光化学系II / S状態遷移 |
研究概要 |
光合成の光化学系IIで起こる酸素発生は4原子のMnで構成さるクラスターにより水分子が段階的に酵化される反応である。本研究では酸素発生反応過程における反応中間状態(S状態)でMnクテスターがどのような挙動を示すかをX線吸収法により直接測定する事を目的とした。この目的には、可視光の閃光で飽和可能を試料濃度でX線吸収スペクトルを測定する必要がある。この為、X線計測器(Li-Si SSD)を試料に接近させ、ケイ光X線を効率良く測定する試料チェンバーを新たに設計した。適当な厚さのCr フィルターの組み合わせにより超希薄試料についてもスペクトル測定が可能となった。この装置では〓(00uM〔Mn〕の試料のスペクトルが測定出来る。この測定法は従来の複数の計測器を並べて立体角を稼ぐ方法に比較して格段に簡便かつ経済的であり、超希薄試料のスペクトル測定に広く応用可能と考えられる。 光化学系II膜断片を生理的条件下、閃光照射によってS中間状態が、S_0→S_1→S_2→S_3と段階ずつ遷移するのに伴ってMnのKー吸収端のエネルギーが約1eVずつ高エネルギー側へ移動した。さらに分子状酸素が避離するS_3→S_0遷移では逆に約3eV低エネルギー側へ移動した。Kー吸収端エネルギーの4周期振動は閃光照射により発生する酸素バルスの4周期振動に対応しており、水分解過程ではMnクラスターが全体としてS_0よりS_3状態まで3電子酸化を受け、酸素分子の避離に共い水分子を酸化し、Mnクラスター自身は再還元されると推定された。本結果により、Mn原子の酸化状態/電子状態の違いが各中間状態に対応しているという従来の作業仮設が直接証明された。
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