研究課題/領域番号 |
04226202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮山 真 東京大学, 工学部, 教授 (50133096)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 核酸 / オリゴアミン / オリゴヌクレオチド / 加水分解 |
研究概要 |
バイオテクノロジーでは、現在、バクテリアから抽出した制限酵素が核酸切断に広く用いられている。しかし、将来的に一層大きな発展を遂げるためには、自在に機能を分子設計できる人工制限酵素の開発が必要である。さらに、ガン・エイズの治療やヒトの全遺伝子解明などにも、これらの人工酵素が必須といわれている。すでに、ラジカルでリボースを“ばらばらに"破壊して核酸を切断する人工酵素が提案されているが、上記の目的には不十分である。天然の制限酵素と同様に、リン酸ジエステル結合を加水分解して核酸を切断する人工酵素がどうしても必要である。そこで、本研究では、このような人工酵素の開発を指向して、1)生理条件で核酸切断を実現する高活性な触媒活性部位の開発、ならびに、2)触媒活性部位を核酸塩基配列認識部位へ結合して人工酵素を構築する方法の確立を追究した。まず、ランタニド金属イオン類が、RNAならびにDNAの加水分解に対して極めて高活性であり、目的とする人工酵素の触媒活性部位として非常に有望であることを見いだした。すなわち、ランタニド(III)イオンを触媒として用いることにより、RNAのリン酸ジエステル結合を半減期わずかに10分で加水分解するとともに、直鎖状のDNAを世界で初めて非酵素的に加水分解することに成功した。核酸、特にDNAは非常に安定であり(pH7、25℃での半減期は2億年と見積られている)、これを非酵素的に加水分解することは従来不可能とされていた。その意味で、本研究は、核酸を加水分解により切断する人工制限酵素の開発の緒を開くものとして意義深いものと考える。また、DNAオリゴマーにオリゴアミンを結合する方法を開発し、このDNAオリゴマーを核酸塩基配列認識部位とする人工リボヌクレアーゼを高純度かつ高収率で合成することに成功した。
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