研究課題/領域番号 |
04226205
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山田 静之 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022540)
|
研究分担者 |
木越 英夫 名古屋大学, 理学部, 助手 (90169839)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | わらび発癌物質 / 天然求電子活性分子 / DNAアルキル化 / DNA切断 / 求電子活性分子合成 |
研究概要 |
植物わらびの発癌物質から化学的に誘導される求電子活性分子(1)はシクロプロパン環を反応点とする強力なアルキル化剤である、DNAを切断する。 1.天然求電子活性分子(1)によるテトラヌクレオチドd(GTAC)のアルキル化と切断反応。 求電子活性分子(1)とd(GTAC)を反応させると、グアニンのN-7位がアルキル化されたd(GTAC)とアデニンのN-3位がアルキル化されたd(GTAC)が主生成物として得られた。熱加水分解に対して、前者は比較的安定であるが後者は不安定である、脱アデニン反応が容易に起こり、さらに、生成するヘミアセタール部が脱離反応を起こしてデオキシシチジン5'-リン酸を放出することが判明した。以上の結果、求電子活性分子(1)によるd(GTAC)のA部選択的切断の反応機構が解明された。この結果はわらび発癌物質によるDNA切断反応を分子構造レベルで精密に解析する上で重要な知見となるものである。 2.人工求電子絶性物質(2)の合成とDNAの反応。 不安定な天然求電子絶性物質(1)を規範として、天然分子よりも安定性が高く、且つDNAのアルキル化機能を備えた人工分子(2)を設計し、シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸の酸無水物から効率良く合成した。ついで、人工分子(2)さサケ精子DNAを反応させ、熱加水分解して得られるアルキル化塩基の構造を決定し[構造式(3)、(4)]、人工分子(2)のアルキル化反応における特性を明らかにした。
|