研究課題/領域番号 |
04226207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉山 弘 京都大学, 工学部, 助手 (50183843)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | DNA切断分子 / オリゴタクレオチド / DNA合成 / アンチセンスDNA |
研究概要 |
核酸を塩基配列特異手に切断する分子の開発は、ヒト遺伝子全塩基配列決定の実現やアンチセンス、アンチジーン法など特定遺伝子の発現制御を行なうために達成しなければならない新技術である。制がん性抗生物質には、塩基配列特異手に切断するものが知られており、しかも活性種をデオキシリボースの特異な水素を引き抜くように空間手に配置し、特異的でしかも高効率DNA切断を達成しているものがある。これらのもつ精密な分子機能を明らかにし、これらをDNA切断分子の分子設計に生かすことは重要である。核酸有機化学の手法を駆使し切断分子のその分子認識とDNA切断の化学を一挙に解明しこれに基づいて画期的な特異的DNA切断分子を開発することが本研究の目的である。 本研究では短鎖DNAを用いた解析手法をもちいネオカルチノスタチン(NCS)によるDNA切断について、5位および4位の競争手水素引き抜きが引き起こされていることを示した。この結果に基づいてNCSがいかに特異手に-AT-サイトを認識するかを分子レベルで明らかにし、結合モデルを提案した。またデュオカルマイシンによるDNAアルキル化と切断については反応の全容を明らかにした。上記天然物の特つ巧妙な分子認識について詳しく評価し、その相互作用の体系化を試みた。次にこれら小分子DNA切断結果をふまえDNA切断分子の設計を行なった。システマティックで迅速な合成を目ざし、DNA自動合成機で合成ができるように設計した。DNA切断部位としてトリペプチドグリシルグリシルヒスチジンNi錯体を用い、ホスホロアミダイトとしてDNA認識部位であるオリゴヌクレオチドの5末端に一挙に導入した。切断分子の構造は酵素分解、マススペクトルおよび ^1H-NMRにより確認した。切断分子の切断機能はHPLCおよびゲル電気泳動により解析した。その結果1本鎖DNAを配列特異的に効率よく切断することが明らかになった。
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