研究課題/領域番号 |
04227210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 敏男 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20107395)
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研究分担者 |
中谷 信一郎 東京大学, 物性研究所, 助手 (40198122)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1992年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | X線回折 / 界面構造 / 結晶成長 / Si(001) / Ge / CTR散乱 / デルタドープ / ラフネス |
研究概要 |
本年度は、超高真空中でSi(001)面上にSiやGeをMBE成長するに際し、試料温度を加熱制御できるような制御装置を整備した。超高真空中でその場観察する予備実験として、Si(001)基板にGeを1MLデルタドープし、その上にSiのキャップ層を約80nmエピタキシャル成長した試料をもちいて、大気中において表面X線回折法による測定を行った。シンクロトロン放射からのX線を用いて、004ブラッグ反射のまわりでロッドプロファイルを測定した。得られた結果は、004逆格子に起因するCTR散乱の上に細かい振動成分がのっており、その振幅は逆格子点の前後で非対称な様子を示した。さらに、逆格子点からの減衰の仕方は、完全に平坦な界面をもつ試料から予想されるよりも速く減衰した。 上記の結果は、定性的には次のような解釈できることが分かった。1)振動の周期からキャップ層の厚さを評価できる。2)振動の振幅の非対称性からは、Si基板とキャップ層の格子面の関係、すなわち、Ge原子層の上下における格子面間隔の変化を求めることができる。3)とくに、振動の振幅が極小値になる置から格子面間隔の変化を正確に評価できる。4)全体的な振幅の大きさから、デルドープされたGe層の揺らぎを評価できる。5)逆格子点からの減衰の速さから表面におけるラフネスを評価できる。 最小二乗法によるフィティングにより求められた最終結果は、GeとSi原子との平均的な結合距離は、Ge原子層の上下で0.07A程度の違いを見せた。このことは、MBE法によるエピタキシャル成長機構と関係していると思われるので、現在その実験結果をよく説明できるモデルを検討している。
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