研究課題/領域番号 |
04227221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
万波 通彦 京都大学, 工学部, 教授 (60025294)
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研究分担者 |
藤居 義和 京都大学, 工学部, 助手 (80238534)
木村 健二 京都大学, 工学部, 助教授 (50127073)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 斜入射イオン散乱 / エピタキシャル成長薄膜 / 表面ステップ / 表面歪 / 異面不整合転位 / 表面欠陥 / 表面阻止能 / 成長表面のその場観察 |
研究概要 |
結晶表面における斜入射イオン散乱により表面状態の評価を行う手法を確立した。原子手に平滑な結晶表面に小角度で入射した高速イオンは、表面第一層原子による小角多重散乱により鏡面反射方向に散乱される。 この散乱過程は表面ステップ、表面歪に敏感である。これを利用して、エピタキシャル成長中の結晶表面で高速イオンを斜入射散乱させ、散乱イオンの角度分布、エネルギー損失の「その場」測定により、成長膜表面の構造、2次元核の研究を行った。昨年度、このような斜入射イオン散乱の計測を、エピタキシャル成長を一時中止することなく、「その場」で迅速に測定できるイオン散乱計測システムを作成した。 この計測システムを用いて、SnTe(001)上のPbTe,PbSe,PbSの初期成長過程の研究を行った。製作したイオン散乱計測システムは良好に作動し、イオン散乱の測定時間は100分の1以下に短縮でき、イオンビームによる結晶成長の「その場観察」が可能となった。そして散乱イオンの散乱面内の分布と、表面に平行方向の散乱イオンの角度分布の同時測定が可能となった。Pbte、PbSe、PbSのいずれのエピタキシャル成長の初期過程においても成長膜の厚さが約3nm前後から10nmのとき顕著な散乱の異常が起こることを見いだし、イオン散乱のモンテカルロ・シミュレーションとの比較により、これが成長界面に出来る不整合転位に起因する表面の歪に起因することを示した。この研究により、斜入射イオン散乱による表面及びエピタキシー薄膜の新しい評価法を確立した。 また、この研究で下地に用いたSnTe(001)表面の構造をAFMにより観測し、成長速度と表面ステップ趣度との関係を見いだし、斜入射散乱したイオンのエネルギー・スペクトルから表面ステップ密度の評価が出来ることを示した。
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