研究概要 |
表面張力波モデルにより徴斜面の表面高さ高さ相関関数は、ステップのゆらぎ幅と関係づくことも示した。TSK(terrace-step-kind)モデルに基づき徴斜面(vicinal surface)をステップ多体系の統計力学として調べた。自由フェルミオン転送行列法を用いて徴斜面の一本ステップゆらぎ幅を計算し、距離に関して対数的にふるまうことを示した。徴斜面は(統計力学でいうところの)ラフな表面であり徴斜面の高さ高さ相関関数が対数的なふるまいをする。すなわち表面張力波モデルでの結論がTSKモデルで基礎づけられた。 自由フェルミオン転送行列法により,徴斜面のステップ間テラス幅分布を求めた。この結果を最近のSTM(scanning tunneling microscopy)の結果と比較検討した。概形としては実験と一致したが,細かいところで一致しなかった。そこで、表面上の弾性エネルギーを起源とするステップ間相互作用を取り入れて同様な計算を行った。現在その結果を検討中である。 現実系において結晶表面は,環境相と接している。環境成分の付着,吸着は,結晶上のステップから見れば,障害物あるいは不純物とみなせる。そこでステップに対する不純物効果をステップグリーン関数に関するCPA(coherent potential approximation)法により調べた、付着ユニットステップの相互作用パラメターニ依存して複雑な変化を行うことがわかった。
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