研究課題/領域番号 |
04228104
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
伊賀 健一 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (10016785)
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研究分担者 |
藤井 陽一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00013110)
小柴 正則 北海道大学, 工学部, 教授 (40101521)
國分 泰雄 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (60134839)
川上 彰二郎 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (10006223)
大越 孝敬 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (70010709)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
97,500千円 (直接経費: 97,500千円)
1993年度: 47,700千円 (直接経費: 47,700千円)
1992年度: 49,800千円 (直接経費: 49,800千円)
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キーワード | 光ファイバ通信 / 光情報処理 / 光集積回路 / 面発光レーザ / コヒーレント通信 / 光増幅器 / 光導波路 / 光ソリトン |
研究概要 |
本研究班での研究実績を以下に示す。伊賀は、長波長帯面発光レーザで、新しい平坦円形埋込みプロセスを用いるとともに、熱伝導に優れたMgO/Si誘電体多層膜を導入して、世界で初めて室温連続動作に成功した。又、半導体レーザと光ファイバ等の光デバイスを接続するために、各コンポーネントの精密位置調整という根本的な問題を解決するために、新しい光結合法「自導光結合法」を提案した。大越は、光ファイバ伝送路における線形複屈折と非線形複屈折とが、パルス伝送に与える影響を考え、これをシュミレートする方法として、複屈折の大きさ及びその主軸の方向を、正規乱数で与える方法を提案した。更にその解析例として、無損失ファイバ伝送路での波形変化を挙げ、比較的小さい線形複屈折は非線形複屈折により相殺され得ること、及び大きい複屈折を持つファイバの伝送特性が、入射偏波状態に対して高い依存性を示すことを明かにした。川上は、光アイソレータや液晶光スイッチなどの高性能なファイバー体型偏波無依存デバイスを製作した。これらを構成する時の基本素子であるコア拡大(TEC)ファイバや積層型偏向分離素子(LPS)についても高性能化を達成した。國分は、高密度立体光配線の基礎技術の開拓を目的として、ARROW型光導波路を積層化した立体光配線構造を提案し、設計・試作した結果、上下導波路間の完全分離と光結合部における上下の光信号の交信を実現した。また、光結合を従来の20分の1に大幅に短縮する新しい構造の開発にも成功した。小柴は、光伝送回路の極限性能解析と高度設計を支援するための光CADの開発を進めるとともに、そのソルバーとして用いる有限要素法の高性能化、多機能化を図り、新しいベクトル有限要素法ならびにスカラ有限要素法の開発を行なった。藤井は、非線形ファイバを用いたソリトン伝搬システム・デバイスの検討を行なった。光ソリトンの波長多重伝送や将来性のある超多重・超高速伝送システム実現の可能性を示した。また、ファイバレーザ、ソリトンレーザについてその動作を解析し、明かにした。堀内は、ソリトン理論の展開により双子ソリトン等、従来見られなかった多様なソリトン現象の可能性を明かにし、双線形形式を用いた系の性質を保存した差分スキームの導出により光ソリトンの各種境界値問題の数値解析が可能であることを示した。また、光ソリトン系に不可能な摂動が加わったときの系のモデリング手法の展開、光ソリトン系の有限要素法などによる数値解析に含まれる誤差を厳密に評価する精度保証付き数値解析手法の開発を行なった。今井は、Nd3+ドープファイバに圧電性高分子(VDF/TrFE)を被覆したファイバ型位相変調器を製作し、その両端にダイクロックミラーを装着して、赤外のレーザ(804nm)でポンピングしてレーザ発振させた(波長1.06mm)。この位相変調器をモード同期させることにより、超短波光パルスの発生が可能になる。
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