研究課題/領域番号 |
04228209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野田 進 京都大学, 工学部, 助教授 (10208358)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 光電子集積 / 光多重安定機能 / 光可変双安定機能 / 光可変しきい機能 / 光多重セット・リセット機能 / 半導体レーサー / フォトトランジスタ |
研究概要 |
近年、光の並列性が、ニューラルネットワークをはじめとする並列情報処理方式と非常に整合性が良いことから、光情報処理が大いに注目され、その並列性を生かすための主要デバイスの実現が強く望まれている。本研究はこれらの要望に応えるべく、半導体レーザ(LD)、異種接合フォトトランジスタ(HPT)といった基本的な光・電子デバイスを集積化し、光増幅、光スイッチ、光双安定等の光領域における重要な機能を数多く兼ね備えた新しい高機能光デバイスを実現することを目的としている。本年度得られた成果は以下のようにまとめられる。(1)現有のLPE装置を用いて1つのLD上に4つのHPTを直接・垂直に集積化した全く新たなデバイスを実現した。ここで4つのHPTのうち、2つはLDストライプ直上に集積化され、他の2つはLDストライプからその位置をシフトされている。(2)この集積デバイスにおいて、まず個々のHPTとLDとの光学結合特性を調べた。その結果、LDストライプ直上にあるHPTはLDからの光帰還の影響を強く受けるためLDと強く結合するが、ストライプから離れた位置にあるHPTは光帰還の影響が少ないためLDとの結合が弱いことが分かった。(3)次にLDストライプを介した任意の2つのHPT間の結合特性を調べた。その結果、以下の3つの光学結合関係が存在することが分かった。i)LD直上にあるHPTどうしは互いに影響を及ぼし合う。つまり相互結合関係が存在する。ii)LD直上にあるHPTはLDから離れたHPTから影響を受けるがその逆は成り立たない。つまり一方向の結合関係が存在する。iii)LDストライプから離れたHPTどうしは互いに影響を及ぼし合わない。つまり無結合状態にある。(4)以上の光学結合特性を利用して、i)光3重安定機能、ii)光可変光双安定機能、iii)光可変光しきい機能、さらにiv)光3重安定状態間のセット・リセット機能というこれまでにない新たな光機能が実現できることを示すことに成功した。
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