研究概要 |
機械部品組立マニュアルは組立説明文と説明図が記載されていて一方が欠けると正しい組立情報の獲得が不能となる。組立マニュアルではいきなり完成品を組立てるのではなく、サブアセンブリーの組立,サブアセンブリー同志の組立てが指示されている。この階層的な組立を理解するには,サブアセンブリーの形状を把握しておかなくてはならない。すなわちサブセンブリー組立手順のシミュレーションによりサブアセンブリのモデルを作成する必要がある。そしてどのサブアセンブリーが新たな組立でどのように引用されているかの解析が必要である。この際シミュレーションで得たサブアセンブリーを組立説明図から捜し出さねばならない。一般にこうした場合はアスペクト図を作成し、アスペクト図のどれかに照合する図形の探索が行なわれる。本研究ではグラフの照合を行なうことにより従来より高速に目標とする図形が発見された。次にこのサブアセンブリーの他の部品への組付けがなされるが、一般的には複数のネジ等が用いられる。しかし複数のネジ締めが設明図に表示されることはほとんど無く,説明文が複数回のネジ締めを示唆するという場合が多い。この発見には補助線の一端にネジが描かれている部分を抽出することによりネジが押込まれる部品を捜し出し,この部品の穴でネジ挿入の対象となった穴に類以した図形を探索させた。このようにして,図だけでは気づかない部品の特徴抽出を説明文の助けで行なうことが可能となった。しかしながら部品形状については,円柱、箱の底などにどのような穴や突起が付隋しているかの2/2記述を正確に算出はできなかった。今後は実部品を準備し,説明図から得た特徴を利用して描かれている部品を発見させ,組立てを実行させることを考えている。
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