研究課題/領域番号 |
04230204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡 泰夫 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (60013520)
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研究分担者 |
高橋 昌明 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (80006147)
梁田 興平 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (70006146)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 半磁性半導体 / 超微粒子 / 交換相互作用 / 磁気光学効果 / ピコ秒分光 / スパッター蒸着法 / 非線形光学効果 |
研究概要 |
半磁性半導体は、Cd_1- _XMn_XTe、Cd_1- _XMn_XSeなどの磁性イオンを含む半導体であり、磁気光学的性質が著しい物質である。この物質の微粒子効果を見るために、Cd_1- _XMn_XSeをSi0_2中に埋め込んだものを作製し、その磁気光学的性質を調べた。この系では、微粒子中で、励起子が、Mnイオンと交換相互作用を行う結果、巨大なゼーマン効果、励起子の磁気ポーラロン効果などに、特有な微粒子物性が現れる。粒径や微粒子中の磁性イオンの濃度を変化させて、その磁気光物性を測定した。 RFスパッター法により、Si0_2にCd_1- _XMn_XSeをドープした薄膜を作り、熱処理の時間と温度を変えることにより、様々な粒径の微粒子を作製した。透過電顕によって観察した微粒子像では、Si0_2との境界が、明瞭に識別できるほぼ球形のCd_1- _XMn_XSe微粒子の成長が確認される。格子縞は(110)面によるもので、縞の間隔は4.3Aで、バルク結晶のばあいの面間隔とほぼ一致する。微粒子内の格子の乱れはほとんどなく、歪や欠陥の少ない単結晶のCd_1- _XMn_XSe微粒子ができていることが確認される。格子縞の数より、粒径はほぼ200Aであることがわかる。各試料における微粒子の平均粒径は、X線回折線の幅より、Scherrerの式を用いて算定したが、これらは20〜300Aの範囲にあった。 半磁性半導体微粒子は、交換相互作用の働く0次元励起子系を実現する。励起子エネルギーの粒径依存性は、ゼロ磁場においては、平均粒径が210Aから65Aに減少する間に、18meVエネルギーが上がり、励粒子閉じ込め効果の計算とよく一致する。7テスラの磁場を印加すると、210Aの粒径では55meVの低エネルギーシフトが見られ、巨大ゼーマン効果が現れていることがわかる。一方、65Aの粒径では、10meVのシフトとなり、粒径の減少につれて、ゼーマンシフトは減少する傾向にある。これは、微粒子中に含まれるMnイオンの数を考慮したg値でほぼ説明がつくが、磁場依存性より、微粒子内でのMnイオン対の生成が増大していることが分かる。
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