研究課題/領域番号 |
04230213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
遠藤 裕久 京都大学, 理学部, 教授 (40025284)
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研究分担者 |
山本 逸郎 京都大学, 理学部, 助手 (40210520)
八尾 誠 京都大学, 理学部, 助教授 (70182293)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | マイクロクラスター / ゼオライト / XAFS / 光音響分光 / 光誘起現象 / セレン / テルル / イオウ |
研究概要 |
イオウ、セレン、テルル等、カルコゲンの結晶には、二配位共有結合で結ばれたラセン鎖や8員環で構成される種々の多形が知られている。カルコゲン原子の最外殻には4個のp電子が存在し、2個はσ結合軌道に入って共有結合に寄与し、残りの2個はIone pair(LP)に入って価電子帯最上部(あるいは最高被占軌道HOMO)を占めている。カルコゲン・クラスターの構造は、このLP軌道の電子に強く支配されている。我々は、ゼオライト4Aの約11A径の空洞中にカルコゲン・クラスターを閉じ込め、その構造と光誘起特性について、EXAFS、光音響分光(PAS)等の手段により検討を加えた。次のような研究結果を得ている。 (1)ゼオライト空洞中に閉じ込めたセレンおよびカルコゲン混合系(Se、Se-Te、Se-S)の8員環について、SeおよびTeのK-吸収端近傍のEXAFS測定を行った結果、Se-Te混合系ではunlike pairが、Se-S混合系ではlike pairが多く見られることが判明した。 (2)低温で、カルコゲン・クラスターに光学ギャップ以上のエネルギーの光が照射するとき、5eV、1.9eV及び2.3eV近傍に新たな吸収帯が出現した。特に1.2eVの吸収帯は鋭く、Se原子をTe原子に置換することにより、あるいは温度を上昇することにより、速やかに小さくなることが判明した。また、著しいフォト・ブリーチング効果も観測された。この光誘起現象は、室温でのアニールにより元の状態に復する。
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