研究課題/領域番号 |
04230214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
保田 英洋 大阪大学, 工学部, 助手 (60210259)
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研究分担者 |
藤田 広志 近畿大学, 理工学総合研究所, 教授 (30028930)
森 博太郎 大阪大学, 超高圧電顕微鏡センター, 助教授 (10024366)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | アトム・クラスター / 超微粒子 / 電子顕微鏡法 / その場観察 / 化合物半導体 / 金属間化合物 / 高速拡散 |
研究概要 |
ナノメーターサイズのクラスターにおける特異物性の一つに、急速な合金化が挙げられる。すなわち、当グループではこのようなクラスターにおいてはバルク固体に比べて極めて急速な合金化が生じ、固溶体クラスターが自発的に生成されることを最近明らかにした。こうした特異な合金化挙動の機構ならびに生成相の安定性を明らかにすることによって、クラスターの凝集形態を解明することができる。本研究では、合金化によって結合状態の異なる化合物の生成挙動を比較する目的で、中間相に、金属間化合物(金属結合)、分子格子化合物(共有結合)、化合物半導体(共有+イオン結合)が存有在する系を対象として選んだ。高真空電顕およびUHV試料処理装置内に装着した双源蒸着装置を用いて、アモルファスカーボン支持膜上に所定サイズの純物質クラスターを作製し、これに室温で異種原子を蒸着し、形態と構造の変化をその場観察した。平均粒径6.5nmのAuクラスターに室温Znを約40at%まで蒸着すること、このクラスターは規則構造をもつβ'-AuZnクラスターに遷移する。また、平均粒径4nmのAuクラスターに室温でSbを蒸着すると、AuSb_2クラスターが生成する。これらの化合物クラスターは対応するバルク固体と同じ構造である。ところが、平均粒径8nmのInクラスターに室温でSbを約50at%まで蒸着すると、Sb原子はInクラスターと合金化して、単相のInSb化合物半導体クラスターに変化する。ここで生成したSnSbクラスターはバルク固体にみられる閃亜鉛鉱構造をとらず、格子定数初a=0.45_7c=0.76_1nmのウルツ鉱構造になる。以上の結果から、化合物クラスターにおける構造的な特徴をまとめると、金属結合性および共有結合性の強い化合物においては、バルク固体と同じ構造をとる。しかし、化合物半導体については、イオン結合性の増大とともに、閃亜鉛鉱構造→ウルツ鉱構造→塩化セシウム構造へと変化する。
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