研究課題/領域番号 |
04231206
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
泰中 啓一 茨城大学, 理学部, 助教授 (30142227)
|
研究分担者 |
菅野 正吉 茨城大学, 理学部, 教授 (00007759)
西森 拓 茨城大学, 理学部, 助手 (50237749)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | Ecology / Ecological model / Position-fixed reaction / Spatial Pattern / Voter model / Candidate / Galaxy / Interstellar Medium |
研究概要 |
最近、私たちは非拡散衝突モデルという新しいコンピューター・シミュレーション手法を開発した。この手法の最大の利点は、反応拡散方程式にかわって複雑系の空間パターンを容易に研究できるという点にある。昨年までは、この手法を主として生態系の空間パターン形成の問題に適用してきた。 本研究の目的は、生態系だけでなく、化学反応系、さらには社会学や宇宙物理学のさまざまな“複雑系"に対しても、非拡散衝突モデルを適用し、計算機物理の中でその地位を確立させることを目的としていた。この目的は基本的に達成された。すなわち、生態系のみならず、社会学とりわけ選挙の問題さらには宇宙物理学の分野において、これまで得られて来なかった新しい知見を得ることができた。 1.生態系では、具体的には拾食者と餌と空地の3つの状態から成る系を研究した。簡単な反応モデルによって空間パターンを自己組織的に作り出した。その結果次のような新しい知見を得た。ある生物を我々が除去し、又は殺しつづけても、その生物は減少するとは限らない。 2.選挙とマスコミの問題では次のような成果を得た。(1)ある候補者がスキャンダルの公表によってマスコミからダメージを受けても、その候補者の支持層は減少するとは限らない。(2)マスコミから無視された候補者にも大きな影響が及ぶ。(3)選挙の直前のマスコミ報道は直接的な影響を有権者に及ぼす、これらの成果については産経新聞(3月6日付)にも大きく報道された。 3.宇宙物理学の分野では、銀河内星間ガスの空間構造について考えた。銀河内星間ガスとしては、cold cloudやhot gasが非常に多く存在することができるの対して、warm gasが多く存在することができない理由を説明した。
|