• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ランダムスピン系のグリフィス相における緩和現象

研究課題

研究課題/領域番号 04231221
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

高野 宏  慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (90154806)

研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワードランダムスピン系 / グリフィス相 / 緩和現象 / イジング模型 / スピングラス / フラストレーション / 引き伸ばされた指数関数的緩和 / モンテカルロ・シミュレーション
研究概要

正方格子上の2次元±Jイジング模型に対して、グリフィス相(ランダムな系の相転移温度とランダムでない系の相転移温度の間の温度範囲)において、モンテカルロ・シミュレーションを行い、個々のスピンの自己相関関数および、その全系での平均q(t)を計算した。個々のスピンの自己相関関数は長時間で指数関数的緩和(緩和時間はそれぞれ異なる)に近づいて見えるのに対し、それらの平均q(t)は長時間で指数関数的緩和に近づているようには見えず、“引き伸ばされた指数関数"的緩和をしているように見えることがわかった。
次に、各スピンの自己相関関係の長時間での振舞いより、各スピンの緩和時間を評価し、緩和時間の長いスピンがクラスターを形成していること、そのクラスター中にはフラストレーションがないことを明らかにした。また、クラスター内のスピンの長時間での振舞いが、この“強磁性的"クラスター全体が反転する緩和時間で決っていることも明らかにした。
個々のスピンの緩和時間より、そのスピンの属しているクラスターの“有効サイズ"を定義し、その分布を調べたところ、希釈イジング模型の場合と同様の分布をしていることがわかった。さらに、この緩和時間分布からスピン自己相関関数の平均q(t)の長時間での振舞いを説明できることを示した。
これらの結果は、2次元±Jイジング模型のグリフィス相における緩和現象を、希釈イジング模型の場合と同様のクラスター的描像で理解できることを示唆している。今後、より精度良く緩和時間分布を決定すること、緩和時間分布とランダムなボンドの分布との関係を明らかにすることが重要である。さらに、いろいろなランダムネス、温度において、同様の解析を行い、クラスター的描像の有効性を明らかにしていく必要がある。
以上のほかに、イジング模型専用計算機を用いて、バクスター模型の非平衡動的臨界現象に関する研究、動的イジング模型のシミュレーションの方法に関する研究を行った。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hiroshi Takano: "On Monte Carlo Methods for the Kinetic Ising Model" Journal of The Physical Society of Japan. 62. 370-371 (1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

URL: 

公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi