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水圏における有機金属化合物のスペシエーションと循環に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04232214
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

松井 正和  京都大学, 化学研究所, 教授 (90027037)

研究分担者 宗林 由樹  京都大学, 化学研究所, 助手 (50197000)
木原 壯林  京都大学, 化学研究所, 助教授 (60161543)
研究期間 (年度) 1991 – 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード有機金属化合物 / スペシエーション / メチルヒ素化合物
研究概要

水棲生物は、ヒ素を無毒化するために有機金属化合物に変換すると考えられている。これは、生物が自己の存在に適した環境を創ろうとする働きのひとつとして、極めて興味深い過程である。しかし、水圏中のヒ素の挙動については、不明な点が多い。この原因のひとつは、水圏中の3価有機態ヒ素のスペシエーション(溶存種別定量)法が無かったことにある。本研究では、自然水中の無機ヒ素(As(V),As(III)、モノメチルヒ素(MMA(V),MMA(III)、ジメチルヒ素(DAM(V),DMA(III)のスペシエーション法を開発した。
本法は、溶媒抽出による3価と5価ヒ素化合物の分離法と、水素化物発生コールドトラップ原子吸光法による定量法とから成っている。試料水を二つに分け、一方を3価ヒ素測定用、他方を3価+5価ヒ素測定用とする。採水後直ちに3価のヒ素化合物のみをジエチルジチオカルバミン酸錯体として、有機相に抽出する。この操作で3価のヒ素組合物を定量的に固定、濃縮することが出来る。5価ヒ素濃度は、3価+5価ヒ素濃度と3価ヒ素濃度の差として求める。海水中の主要な塩類は、本法に全く影響を与えなかった。3価ヒ素の検出限界は、500mlの試料水を用いた場合、As,DMAで20pM、MMAで50pMであった。2nMの試料の繰り返し測定の精度は約1-3%であった。本法を瀬戸内海および琵琶湖で採取した水試料に適用し、次の結果を得た。(1)As,MMA,DMAが自然水中のヒ素の主要な溶存種である。浅2)3価メチルヒ素は有光層中に、また還元的な低層水中に在存する。(3)ヒ素の溶存形は、生物相や化学環境によって微妙に変化する。今後は、本法をさらに洗練するとともに、水圏試料に広く適用し、水圏におけるヒ素の動態を明らかにしてゆきたい。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.Sugiyama: "A Geochemical Study on the Specific Distribution of Barium in Lake Biwa,Japan." Geochimica et Cosmoshimica Acta. 56. 597-605 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 藤野 治: "カイワレ大根の発芽・生長時における培養液中水素イオントカリウムイオンの濃度変化" 日本化学会誌. 580-585 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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