研究概要 |
ODP,Leg126伊豆・小笠原弧の深海底堆積物を、XRD,TEM,SEM,FT-IR,ESCA等を用いて研究した結果、熱水の循環とバクテりあによる粘土鉱物(グリーンマリーンクレー)の生成を認めた。火山性砂岩中の造岩鉱物は、熱水により変質を受け、各種のゼオライトとスメクタイトを生成している。ベインやマトリックスには、ジプサムやゼオライトが認められる他、バクテリアの化石が多数混在していた。特に、グリーンマリーンクレーの中には、有機および無機の炭素が存在し、グラファイトヘの結晶化過程を、ミクロンレベルで明らかにした。間瞭水の化学組成とスメクタイト含有量の関係および鉱物組合わせから、当時、はげしい海底火山噴火が、かなりのひん度で起ったことが明らかになった。 ODP関係の論文を国際誌Chemical Geologyに公表した他、ODPの研究成果報告書に英文で2編公表した。国際学会WRI-7ではグリーンマリーンクレーいついて発表を行った。その内容は、プロシーディングに掲載された。 国内におけるシンポジウムで、研究成果の一部を発表した他、月刊海洋に、日本語で2編に論文を公表した。また、バクテリアノ生体鉱物化作用に関する研究も平行して行っているが、海洋・陸地を問わず、バクテリアによって、Fe,Mn,Ca,Sを含む鉱物が生成することを、明らかにした。陸上における熱水活動の例として、温泉、間欠泉などがあげられるが、その周辺には、高温、高アルカリ条件下で、バクテリアが生息し、かつ鉱物生成を行っている、イエローストンやアイスランドの試科についても比較検討し、研究結果を得ている。
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