研究課題/領域番号 |
04232219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
大森 保 琉球大学, 理学部, 助教授 (00045022)
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研究分担者 |
棚原 朗 琉球大学, 理学部, 助手 (00217100)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 海底熱水活動 / 炭酸塩 / 沖縄トラフ / しんかい2000 / 二酸化炭素 / 堆積速度 / Pb-210 / マグネサイト |
研究概要 |
人間活動によって大気中に放出された化石燃料由来のCO_2の約1/2は海洋に移行したと考えられているが、充分には解明されてはいない。西太平洋で最も活動的な背弧海盆であ沖縄トラフは、海底熱水活動に伴って大量の二酸化炭素が海底から海洋へ放出される特異点である(熱水中の高い二酸化炭素濃度や炭酸アルカリ度、液状二酸化炭素の湧出、二酸化炭素クラスレートの形成、熱水性含マンガン炭酸塩の堆積など)。これら熱水域における炭酸物質の挙動と分布に関する化学過程は、浅海域におけるサンゴ礁の発達とともに、地殻-海洋-大気間での循環過程の一部として捉えることができる。海洋における炭酸(塩)物質のフラックスとシンクとしての海洋の役割を解明することが要求されている。 本研究では、海底熱水系における炭酸(塩)物質の化学過程を解明し海洋におけるCO_2フラックスの解明に寄与するために、主に潜水艇「しんかい2000」を利用して、沖縄トラフの海底熱水域における(1)現在の海底熱水活動による炭酸(塩)物質の供給と海底での挙動・分布の地球化学、および、(2)周辺の炭酸塩物質を主とする熱水性堆積物と海底堆積物柱状試料の放射能年代学的な研究により、沖縄トラフにおける熱水湧出過程とその時間的変遷について研究した。比較にために、浅海の熱水活動である沖縄県竹富島沖サンゴ礁の海底熱水についても、墳出ガス(メタン、二酸化炭素など)、熱水組合、および熱水起源炭酸塩の化学組成と同位体組成についても研究した。以下の点について明かにされた。(1)最も且つ動的な伊是名海域では、硫酸塩-硫化物鉱床では硫化物が古く、硫酸塩が新しい結果が得られ、過去100年間に熱水の活動状況が変動したことが示唆される。液状二酸化炭素の湧出とクラスレートの形成が認められる。(2)伊平屋海凹と南奄西海丘ではそれぞれ熱水起源のマンガン炭酸塩とマグネシウム炭酸塩が形成されている。(3)伊是名海穴、伊平屋海凹およびなつしま海丘の柱状堆積物分析によれば、海底熱水域にはPb-210の供給が周辺海域と比較して異常に高いこと、および熱水活動に伴う重金属元素の供給に変動があることがわかった。
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