研究課題/領域番号 |
04235205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
清水 謙多郎 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (80178970)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1992年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 超並列処理 / オペレーティングシステム / カーネル / スレッド / 負荷分散 / 分散共有記憶 |
研究概要 |
超並列計算機のオペレーティングシステム(OS)の開発と、超並列処理において最も基本的かつ重要な負荷分散および分散記憶管理に関する性能評価を行った。以下、本年度の成果について個々に述べる。 1.プロセスのスケジューリング、同期・通信に対し、従来のOSのように固定した方針・機構をカーネルが提供するのではなく、ユーザプログラムとカーネルの協調によって実現される新たな並列処理実体(マイクロスレッド名付けた)を開発して、それらのスケジューリング、同期・通信に対して、ユーザがきめの細かい制御を行えるようにした。これにより、種々の並列プログラミングモデルを同時に実現し、アプリケーションごとに最適化を行うことができることを確認した。また、マイクロスレッドの生成は、カーネルが提供する従来のスレッドの生成より1桁以上速いという結果を得た。 2.上記のマイクロスレッドの機構を備えた超並列OSのカーネルの設計およびプロトタイプの実装を行った。 3.複数のプロセッサにプロセス(スレッド)群を一括して割り当てたり、割り当てるプロセッサの数を動的に変更したり、プロセス群をまとめて移動したりすることのできる、柔軟かつ広範なプロセッサ割当ての機構、およびグループ別最適化に基づく負荷分散の方針を検討し評価を行った。特に、一括したプロセッサの静的割当て方針(コスケジューリング)についてシミュレーションを行ったところ、最も単純な行列法が他の方法よりも効率的であることが判明した。また、このときプロセッサ割当て空間におけるプロセッサの割当てについて、記憶領域の割当てにおける断片化と類似の現象がみられ、それと同様の対処が可能であるという興味深い知見を得た 。 4.分散共有記憶について、データ依存関係に基づく一貫性制御の機構を新たに開発し、その有効性を確かめた。
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