研究概要 |
1.形式的仕様記述とそれに基づくシステム開発データ抽象化に基づく超並列処理システムの記述法を提案するための準備として,形式的仕様記述言語Zを用いて,データ抽象化に基づいて関数型プログラミング言語処理システムの形式的仕様記述を行った。また,その形式的仕様に基づいて,言語処理システムの実現を,関数型プログラミング言語Mirandaを用いて行った。同じくデータ抽象化に基づいて共有データ空間を仕様記述し,その共有データ空間を介した並行動作プロセスの相互作用を記述する方法を考案した。 2.超並列珍を有する具体的問題超並列処理システム記述に対する要件を明確するために,超並列処理を伴う現実の問題を実際に取り扱った。具体的には,生体情報処理の分野から,約10000個もの味の受容細胞によって処理されている味覚の認識を,人工的に合成した脂質膜を用いた味覚センサーによって得られた情報をニューラルネットワークによって解析した。また,遺伝子情報処理の分野から,約30億個もの文字(塩基)からなるヒトの遺伝子に関するデーたの検索を行うための演繹データベースの構成法および検索アルゴリズムに関する研究を行った。 3.超並列処理システムの構成法と処理方式効率の高い超並列処理しステムの構成と処理方式の設計および実現を行うために必要な多くの基本要素に関する研究課題の中から,並列プロセス間の相互作用のフロー制御の方式の提案,一重Doacrossループを効率よく並列処理するために必要な最適プロセッタ数を求める方法の提示,プロセッサグループによる二レベルスケジューラの構成法を提示および処理方式の評価を行うためのシミュレータの開発を行った。
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