研究概要 |
創造的三次元形状設計のための仮想作業空間を構成するためには,通常の実空間上で人間が行っている形状設計の作業プロセスを,基本的なレベルに立ち戻って分析を行い,仮想プロセスのための基本構成要素を明らかにすることから研究をはじめる必要がある.本研究では,このような形状設計作業の分析に重点を置くとともに仮想作業空間の基本構成要素の基本設計を行った.具体的な研究実績は以下の通りである. (1)ロクロなどの自由曲面形状のモデリングの実空間での作業プロセスを分析する.特に創造的モデリングにおいては,作業操作の反復性や簡潔性などが特徴的であると考えられ,これらを中心とした作業プロセスの分析を行い,明らかにした. (2)(1)の分析に基づき,仮想作業空間の基本構成要素の設計を行うとともに,その具体化を図る.仮想作業空間には大きく分けて二つの機能が要求される.すなわち,(A)実空間上の三次元形状の三次元データ入力と,その計算機内でのモデリング機能.(B)手,指先による三次元形状の変形・加工を可能とする直接三次元操作機能.である.(A)については,光切断法に基づく三次元形状入力システムを中心として,3次元モデリング機能のアルゴリズムについて検討した.(B)については,本研究機関ですでに開発している空間インタフェース装置を用いて操作環境の開発を行った.さらに,三次元自由形状設計のための形状変形アルゴリズムの開発,直接操作のための形状モデリングとの対話機能の開発を進めた.
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