研究課題/領域番号 |
04236211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州芸術工科大学 |
研究代表者 |
岩宮 眞一郎 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (60112356)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | オーディオ・ヴィジュアル・メディア / 視覚と聴覚の相互作用 / 音楽 / 映像 / 協合 / 共鳴 / 音質 / 大画面 |
研究概要 |
本研究は、音楽再生音の印象に対する映像の影響、並びに、映像の印象に対する音楽再生音の影響を調べ、オーディオ・ヴィジュアル(AV)・メディアを通して音楽を聴くときに、情緒的な側面に、どのような視覚と聴覚の相互作用が生じているのかを検討したものである。種々の条件下で検討を行い、音と映像が重畳することで、音楽及び映像の総合的な評価が高まる、協合的な相互作用、明るい音が映像の印象を明るくするように、聴覚的印象が視覚的印象を強調する、共鳴現象などの相互作用が観測された。さらに、実際のAVメディアにおいて問題となる、音や映像の再生系の特性の違いが、視覚と聴覚の相互作用に及ぼす影響について、検討を行った。まず、再生音の音質の影響について検討するため、音響再生系を帯域制限した場合の、音楽再生音の印象に対する映像の影響を求めた。帯域制限によって、再生音の音質は劣化するが、映像を付加することで、あたかも、音質の劣化が補償されるような効果が認められた。この効果は、視覚情報が、帯域制限による音質の劣化に対する、聴覚系の感受性を鈍くする働きによるものと考えられる。さらに、再生画面の大きさが視覚と聴覚の相互作用に及ぼす影響について検討した。映像の再生には、投射形の液晶ヴィジョンを用い、45インチと90インチの再生画面の条件で、実験を行った。映像の印象の総合的評価に関しては、90インチの再生画面で、音楽と映像を重畳したときに、評価は最も高くなっている。大画面で、音と映像が重畳することによって、映像の芸術的価値は、最も高められるのである。音楽再生音の印象に関しては、いずれの条件においても、音と映像の重畳が音楽を印象的なものにする、協合的相互作用がみられるが、90インチの場合のほうが、その効果が顕著であった。つまり、大画面による映像は、音楽の芸術的価値をより高める効果を有しているのである。
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