研究概要 |
連続音声合成における感情を考慮した音韻環境の協調処に関する調査・分折,および,実験システムの試作をつぎのように行った。 1.言葉における感性情報と音調を表す音韻環境の関係を調査・分折した結果,感情と声の高さを示すピッチ幅にはつぎの関係があることがわかった。 (1)全体にピッチ幅を狭くする(声を高くする)ことで、喜びの感情が感じられた。 (2)一単語中で,ピッチ幅を徐々に広くすれば、悲しみの感情が感じられた。 (3)一単語中で,ピッチ幅を徐々に狭くする場合、その程度によって怒りと恐れの感情が感じられた。恐れの方が怒りより減衰率が大きい。 (4)ピッチ幅を極端に変化させた場合、不明瞭な声となった。 2.連続音声合成には,発声器官(声帯,舌,下顎,口唇など)の運動をシミュレーションする規則合成方式を用いた。各器官の動きに対して言語情報および音韻環境からの製約があり、それらは各器官に対して独立して与えられるために分散制約充足を行なう協調問題解決を使用した。システム実現のために協調のための契約方法,および,通信のためのプロトコルについての調査・検討を行い,本研究代表者等が提案している混成型問題解決PSAを発展させ,協調問題解決システムを構築した。 3.構成した協調問題解決システムを利用し,連続音声合成システムをワークステーション上で構築した。 D/A変換はパソコン上の専用ボードで行なった。
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