研究課題/領域番号 |
04237208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大島 宣雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50015971)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1992年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 微小循環 / バイオメカニクス / 白血球 / 血小板 / レオロジー / 血行力学 |
研究概要 |
微小循環の障害は、臓器・器官への血液の供給と物質交換を破綻させ、全ての循環器疾患の病因に一義的に関わっている。白血球は変形性に乏しく、血管壁に粘着する質性があるため、特に細動脈分岐部近傍での挙動は下流の毛細血管の血流に大きく影響し、また、血小板は血管内皮細胞上に粘着・凝集して血栓を形成するため、血流を障害する原因となりうる。そこで、微細な血管内での血球成分の挙動の動的機構を解明することを目的とし、当該年度は、特に細動脈の分岐部における血球成分の挙動を解析した。さらに、その機序を細胞生物学的側面から考察するために、培養細胞を用いたin vitro実験を併せて試みた。In vivo微小循環系の観察対象としては、ラット腸間膜の微小血管床を用いた。まず、細動脈分岐部に注目し、各血管における血管内径、血流速度、血流量および血管の分岐角度を計測した。次に、白血球を選択的に可視化するために、蛍光色素を持続静注しつつ、血管床の顕微鏡像をビデオテープに記録した。この画像を解析することによって、各血管における白血球の流入数、血管壁への粘着数と粘着後の挙動を経時的に計測した。その結果、細動脈分岐部では、分岐血管に流れ込む血流量の分流比と白血球の分配比には非直線性の関係があり、親血管での白血球の分布の偏りを補正することによって、細動脈分岐部においては優先的な流れの関係が存在することを確認した。また、種々の白血球活性化物質を投与した際にも、ほぼ同様の結果を認めた。上記の結果をふまえつつ、血液を構成する個々の細胞と血管壁との相互作用を詳細に検討するために、培養血管内皮細胞と血小板を用いてin vitro血栓形成実験を行った。その結果、鴨請者らが確立した光と色素によるin vivo血栓形成モデルがin vitro培養細胞系においても再現可能であることが確認され、血小板粘着と白血球粘着の相互作用を研究する上で、この方法が有用であるものと思われた。
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