研究課題/領域番号 |
04237232
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10152365)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1992年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 血流速度プロフィル / 血管内皮 / レーザスキャン顕微鏡 |
研究概要 |
本研究は微細な流れの構造や局所的な血行力学的因子を詳細に検討し、血管壁細胞の形態や機能などに与える影響を総合的に解析して、動脈硬化病変の局在化の機構、および進展の機序を解明することを目的とした。本年度は、本研究の特長であるIn vivoにおける微細な血流構造と血管形状の計測手順の確立と内皮細胞の形態・機能の評価システムの確立を主体とした。まず、予備実験で得た分岐部血流構造の特徴、すなわち動脈硬化の初期病変が生じやすい腎動脈分枝入口頭側の局所血流動態が、相対的低ずり速度、流れの剥離と時間的振動性を示すことを確認した。このような特徴を示す分岐血管内皮細胞の形態的・機能的分を共焦点型レーザ走査顕微鏡を用いて用いて明らかにするため、Fアクチンと細胞核内DNAをそれぞれ蛍光染色剤であるローダミン・ファロイディンとビスベンジマイドにより選択的に染色した。その結果、腎動脈分枝入口頭側、すなわち低ずり速度、流れの剥離と時間的振動性が特徴的である部位においては、細胞形状は歪であり、その中の核の形状は円形に近かった。また細胞内にはストレスファイバはあり観測されなかった。一方、腎動脈分枝入口尾側あるいは腎動脈分岐末梢部などずり速度が大きい部位においては、細胞形状は流れに添って細長く配列し、核の形状は楕円形を呈してかつ流れの方向に添って配向していた。また、ストレスファイバは流れの方向に沿った走行を示し、かつ細胞内に多く存在していた。このように、局所的な血行力学的因子と内皮細胞の形態が密接に関連していることが明かとなり、局所血流動態が動脈硬化の局所的な発生・進展に密接に関連することが窺われた。次年度より共焦点型レーザ走査顕微鏡によって精度良く計測した細胞構造を画像解析装置を用いて効率良く集計かつ解析し、局所血流動態と細胞構造の関連性について定量的解析を行う計画である。
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