研究課題/領域番号 |
04238202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿尻 雅文 東北大学, 工学部, 助教授 (60182995)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 超臨界水 / 反応晶析 / ベーマイト / 分離 / 反応速度 / 微粒子 |
研究概要 |
1)超臨界水中での反応晶析の速度論的検討 硝酸アルミニウムについて、広い温度、圧力、濃度、滞留時間範囲で加水分解反応を行った。加水分解速度は、金属イオン濃度に一次であることがわかった。一次反応速度定数は、亜臨界領域では一定の活性化エネルギーを示したが、臨界典点を越えると非常に大きな値を示した。亜臨界領域から外挿して求めた400℃における反応速度と比較すると、20倍も大きな速度が得られた。また、圧力を大きくするほど反応速度は大きくなった。これは、水の密度や誘電率を考慮すると説明できたが、今後反応機構をより詳細に検討していく。 微粒子の成長速度は、圧力が高いほど高かった。また、反応時間が長いほど、粒子径分布は小さくなり、また平均粒子径は増大した。これは、圧力が高いほど超臨界水の溶解力が高く、溶解析出による粒子成長(オストワルトライプニング)が進んでいるためと考えられる。 2)反応晶析による金属種の分離の可能性 他の金属についても微粒子の生成を確認し、また分解反応速度を評価した。硝酸鉄、硫酸鉄については、200℃程度の比較的低い温度でも酸化鉄微粒子となる。硝酸アルミニウムの場合は、微粒子は生成したが、鉄と比較して反応速度は低かった。NiやCoについても反応による微粒子の生成は見られたが、反応速度は低かった。このように、反応速度は金属により大きく異なり、その差を利用した金属の分離が可能であることがわかった。また、金属種によっては、超臨界状態での反応速度の大きな促進効果がみられないものもあった。
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