研究概要 |
食品工業など芳香剤の高度調合法の開発の要求から、ラクトン(γ-Bulac)を対象化合物に取り上げた研究を進めた。1)ラクトン測定用高感度SCF-FIA/CL分析システムの設計:次の2つのCL系から成なるシステムを開発した。 Lactone+NaOH→Oxycarboxylic acid→→→→→→Diester+Dissolved O_2→Hyper-intermediate (A)Lacton+NaOH+Ethanol→Glycolic acid ester↑↓Acetone+CO_2-SCF→Excited acetone→→→→→→→→→→→→→→→→→→→△→→→hν(Energy transfer) (B)Acetone+CO_2-SCF→Excited acetone→→→→→→→→→→→→Excited lactone→→→hν 構築した分析システムの特性試験から次の知見を得た。2)CL反応の選択性と特徴:分析システムはいずれもラクトンに高選択的であるが、(A)では少量の水の介在を認め、(B)ではそれを全く認めない。3)再現性と分析時間:(A)相対標準偏差:5.5%(20μl注入法で1x10^<-8>Mγ-Bulac溶液を5回繰り返し測定),分析時間:約3秒;(B)相対標準偏差:2.3%(1x10^<-7>M γ-BuLacによる5回繰り返し測定),分析時間約6秒。4)検出下限(1.0x10^<-10>M;20μl注入法:S/N=2))(B)検出下限:10×10^<-11>M(20u1注入法:S/N=0.5)。5)本CL反応におけるSCF溶媒特性の一考察:C0_2-SCFに限るが、官能基相同性(本研究ではC=O)が著しく発揮されてCL収率の向上に寄与すること(日本化学第64秋季年会発表:講演予稿集866頁)が判明した。6)バッチ式CL反応解析装置の試作:装置は恒温槽、耐圧反応セル、CL検出系および記録系から成る。反応セル容積は約20mlで、耐圧は100Kg/cm^2である。現在、本装置の特性および溶媒構造の解析をラクトン系CL反応を用いて検討中である。
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