研究課題/領域番号 |
04239205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
箕西 靖秀 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70005958)
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研究分担者 |
佐藤 敬 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80005909)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 金属間化合物 / チタンアルミナイド / 異常降伏現象 / 超格子転位 / 降伏応力 / 逆温度依存性 / DO_<19>型構造 / 錐面すべり |
研究概要 |
本研究では、Ti-25mol%Al(以下、%はmol%)を中心としてTi過剰側ではTi-21Al%、Al過剰側では28、33.5及び36%Alの組成の化合物について-196℃から900℃の温度範囲で3種の軸方位を持つ単結晶を圧縮試験することにより、Ti_3Alの変形に及ぼすAl濃度の影響を調べた。試片の圧縮軸方位は、c軸に平行(A)、交角45゚(B)、垂直(C)とし、活動したすべり系とその降伏応力の温度依存性の決定、透過電顕(TEM)による変形組織の観察、変形を律速する転位の性格の決定を行った。以下、Ti-25%Al化合物に関する結果とAl濃度の影響について述べる。 A方位の試片は、試験した全ての温度で{1121}<1126>錐面すべりで変形する。この結果は化合物の組成に依存しない。B方位の応力-歪曲線は、初めに2度、折れ曲がりを示す。第一の折点は{1100}<1120>柱面すべりによる降伏、第二の折点は(0001)<1120>底面すべりによる降伏に対応する。C方位では、単一の柱面すべりのみが活動する。 錐面すべりによる降伏応力は-196℃から室温までは急激に減少するが、室温以上では温度上昇と共に増加し、約700℃で最大値をとり、以後、急減する。このいわゆる異常降伏現象は、組成により降伏強度が異なるものの、いずれの化合物でも観察された。柱面すべりによる降伏応力は、温度と共に単調に減少する。底面すべりは、柱面すべりに似た変化を示すが、室温から200℃の間に平坦部を持つ。これらのすべりの降伏強度とAl濃度の間には単純な関係がない。 TEM観察によると、錐面すべりは-196℃ではらせん転位、他の温度では刃状転位により律速され、柱面と底面すべりはらせん転位により律速されている。異常降伏現象の起こる温度範囲で変形した試片中の転位を電顕弱ビーム観察した結果、錐面上の1/3<1126>超格子転位は逆位相境界を挟んで2本の1/6<1126>超部分転位に分解し、これらの超部分転位の刃状部分は更に複合積層欠陥を挟んで1/6<1013>型の部分転位に分解することを見出した。この観察結果に基づき、異常降伏現象を説明する新しいモデルを提案した。
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