研究課題/領域番号 |
04240217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
為ヶ井 強 東京大学, 物性研究所, 助手 (30183073)
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研究分担者 |
家 泰弘 東京大学, 物性研究所, 助教授 (30125984)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1992年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 高温超伝導体 / 微小ホール素子 / ヒステリシス / 磁気緩和 / 異方性 |
研究概要 |
微小ホール素子を用いた高温超伝導体の研究の初年度として、我々は微小ホール素子アレーの製作を行ない、またホール素子によりBi系単結晶に見られる異常なサイドピークの測定を行なった。 1.微小ホール素子アレーの製作。 イオン打ち込みをしたGaAs基板(n=2x10^<17>cm^<-3>、伝導層:約2500A)を素材とし、フォトリソグラフィーにより微小ホール素子アレーを作製した。6x6mm^2の基板上に20個の微小ホール素子(有効面積:10x10μm^2)を約1mm以内に配置した。 2.Bi系単結晶のホール素子による磁気測定。 Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>単結晶の磁気ヒステリシスには、ゼロ磁場付近のピークのほかに他の高温超伝導体では見られない鋭いサイドピークが見られることが知られている。 我々はこの異常なサイドピークをホール素子を用いて測定した。特にホール素子の特徴を生かし、これまであまり測定の行なわれなかった短時間の磁気緩和の測定も行なった。その結果、ある特徴的磁場以下で磁気緩和が異常に早くなるためにサイドピークが生じることが明らかになった。またこれと同時に、サイドピークが現われる磁場付近で局所磁場のプロファイルに分裂が見られることも明かとなった。しかし、この分裂はサイドピークの原因ではなく、むしろ結果であると考えられる。 サイピークの原因に関して磁束間の相互作用による次元交差が原因である可能性を指摘した。これは、唯一サイドピークが観測されるBi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>単結晶が高温超伝導体の中で最も異方性が大きいという事実に立脚する。我々のトルク測定によるこの系の異方性を理論予想の式に代入することにより、実験で観測されるサイドピークの磁場を良く再現できることが明らかになった。
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