研究課題/領域番号 |
04240226
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石黒 武彦 京都大学, 理学部, 教授 (50202982)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1992年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 層状構造超伝導体 / 高Tc有機超伝導体 / ゆらぎ効果 / 磁束運動 / YBCO / PBCO超格子膜 / 抵抗転移特性 / 超伝導体の熱起電力 / リエントラント性超伝導 |
研究概要 |
層状構造を持つ銅酸化物超伝導体同様、高いTcを持つ有機超伝導体BEDT-TTF塩は顕著な2次元性を示す。こうした超伝導体の性質を持つ徴づけるGLコヒーレンス長、ロンドン侵入長を知るには磁場下の超伝導転移特性を調べなくてはならないが、層状構造を持つ超伝導体では熱伝導の熱ゆらぎ効果を無することができなくなり、磁束運動についても顕著な異方性を考慮しなくてはならない。本研究ではBEDT-TTF塩のうち(Cu(NCS)_2、Cu[N(CN)_2]Brをアニオンとして持つものについて磁場下での抵抗転移特性を実験的に調べ、特にCu(NCS)_2では磁場中の転移特性に特徴的なピークの現われることを見出した。これらの実験結果は池田、大見、恒藤による一連のゆらぎ効果を繰り込んだGL汎関数を基にした理論に基づいて解析した。転移特性にみられたピークはBi系の銅酸化物超伝導体についても見出されているものであり、一因として積層欠陥などの部分における弱結合部位の関与を考えて解析を進めている。またCu[N(CN)_2]Clではリエントラント性の超伝導が出現することを見出した。一方、YBCO型の銅酸化物超伝導体については層状構造に由来する興味ある物性が少なからず知られているが、本研究ではYBCO/PrBCO超格子膜を調べることにより層状性を変化させつつとの特性をより的確にとらえることが出来ると考えた。超格子膜は化研坂東研ならびに生産開発化学研究所寺島研に作成をお願いし共同研究として進めて来ている。抵抗転移特性には常伝導成分の評価が必要とされるので、抵抗と併行して熱起電力の測定を行ない両者を対比解析することにより超伝導の磁場下での特性を明らかにして来ている。YBCOのエピ膜、YBCO/PBCOについて2層・2層超格子膜、4層-2層超格子膜などについての測定を行ってきた。層間距離の制御と共に超格子膜そのものの特性についても配慮する必要のあることが明らかとなっている。
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