研究課題/領域番号 |
04240228
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
水貝 俊治 大阪大学, 理学部, 助手 (50028263)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 高温超伝導 / 無限層構造超伝導体 / ラマン散乱 / マグノン / スピン-軌道相互作用 / スピン-パイエルス転移 |
研究概要 |
高圧下で合成される無限層構造超伝導体(Sr_<0.7>Ca_<0.3>)_xCuO_2とSr_<1-x>M_xCuO_2(M=Nd,Sm)、超伝導が抑制されるLa_<2-x>Ba_xCuO_4(x=0.125)と同じ構造相転移をするLa_<2-x-y>Nd_ySr_xCuO_4とLa2NoO_4およびスピン-パイエルス転移を起こすCuGeO_3のラマン散乱からの磁気、電子、フォノンの性質を明らかにした。 酸化雰囲気で合成される(Sr_<0.7>Ca_<0.3>)_xCuO_2ではキャリアーをドープして超伝導になっても2-マグノン・ピークはほぼ同じ形を保ったまま強度が少し減少するだけである。これは電子系のPr_<1-x>-Ce_xCuO_4と同じである。還元雰囲気で合成されるSr_<1-x>M_xCuO_2で2-マグノン・ピークが小さいことはキャリアーガ充分にドープされていることを示している。理想的な無限層構造はラマン活性なフォノン・モードを含まない。(Sr_<0.7>Ca_<0.3>)_xCuO_2からSr_<1-x>M_xCuO_2になるとフォノン散乱強度が大きくなり、低温では100倍以上にに達する。フォノン散乱強度の温度変化からSr_<1-x>Nd_xCuO_2では室温付近に構造相点移転があり低温で歪んだ構造になると考えられる。 超伝導体関連物質で初めLaNiO_4で1-マグノン・ラマン散乱を観測した。1-マグノン散乱は異方性磁場等でq=0で有限の値になったスピン波をスピン-軌道相互作用を通して観測する。2-マグノン散乱は反強磁性転移温度からLTO-LTT構造相転移温度を通して低温まで温度を下げてもエネルギーはほとんど変化しないが、1-マグノン散乱は大きな変化を示す。特徴的なことは72cm^<-1>ピークの散乱強度がLTT相では100倍も大きくなることである。もしこれがLTT相でも1-マグノン散乱であるとスピン-軌道相互作用が10倍大きくなることを意味しておりBonesteelらのLa_<2-x>Ba_xCuO_4(x=0.125)の超伝導抑制機構を支持することになる。
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