研究課題/領域番号 |
04242103
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木下 實 東京大学, 物性研究所, 教授 (40011530)
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研究分担者 |
百瀬 孝昌 京都大学, 理学部, 講師 (10200354)
阿波賀 邦夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (10202772)
加藤 礼三 東京大学, 物性研究所, 助教授 (80169531)
工位 武治 大阪市立大学, 理学部, 教授 (10117955)
榎 敏明 東京工業大学, 理学部, 教授 (10113424)
志田 忠正 京都大学, 理学部, 教授 (60025484)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
137,600千円 (直接経費: 137,600千円)
1994年度: 17,100千円 (直接経費: 17,100千円)
1993年度: 64,600千円 (直接経費: 64,600千円)
1992年度: 55,900千円 (直接経費: 55,900千円)
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キーワード | 分子磁性 / 有機高スピン分子 / 有機強磁性 / 反強磁性 / 伝導性分子錯体 / 磁気相互作用 / スピン分極 / 伝導性と磁性 / 有機強磁性体 / 伝導性有機物質 / 磁性 |
研究概要 |
高スピン磁性高分子の関係では、新たにFTパルスESRによる過渡的量子スピン減衰運動法を導入した。高スピン高分子系では有効スピン量子数の増大とともに異なるスピン多重度の部分の混在するが、この方法によりこれらを分離・同定できることが示された。高スピン分子の電荷とスピン配列の研究では、七重項分子を陽イオンまたは陰イオンにすると四重項状態になること、スピン・フラストレーションがあり、基底状態が三重項の分子がイオン化により四重項状態になることなどが示された。 分子性錯体の関係では、昨年度報告した(BEDT-TTF)_6 Cu_2Br_8でESR,プロトン-NMR,高圧下の磁化率などの測定から、さらに詳しい知見を得た。新たに(BEDT-TTF)_2X(X=ICl_2,AuCl_2)の反強磁性転移を見いだし、ネ-ル温度22K(ICl_2)および28K(AuCl_2)を決め、磁気異方性などを測定した。また新規な物質として、磁性酸素分子を含むアルカリ金属-グラファイト層間化合物(C_<4n>KO_2,C_<4n>C_sO_2)を開発し、その磁性を調べている。一方、混合原子価銅錯体(DMe-DCNQI)_2Cu系では、選択的な重水素化試料を用いて種々の物性測定を行い、d電子の狭いバンドと伝導電子の相互作用に関する興味ある知見を得た。 ラジカル結晶の分野では、ニトロニルニトロキシドの2位にH,Br,I,CH_3など簡単な置換基をもつ基本骨格の誘導体の単結晶について、磁性と構造の関係が研究され、フェニル基置換でなくても強磁性相互作用が発現することが示された。また、粘土鉱物(サポナイト)の層間にラジカル陽イオンであるピリジニウムニトロニルニトロキシドを添加した層間化合物が新たに作られ、そのゲストーゲスト間、およびホストーゲスト間の磁気相互作用について知見が得られた。
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