研究課題/領域番号 |
04242209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
山口 益弘 横浜国立大学, 工学部, 教授 (10018046)
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研究分担者 |
後藤 恒昭 東京大学, 物性研究所, 助教授 (30005962)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 磁場効果 / 平衡電位 / 水素化物電極 |
研究概要 |
1.金属-水素系のギブス自由エネルギー変化の電気化学的表現、ΔGec=-nFΔEおよび、磁気自由エネルギー変化がΔGmag=-2HΔMsで示されることから、平衡状態(ΔG=ΔGec+ΔGmag=0)では磁場によって平衡電位が(1)式にしたがうように変化することを導いた。ここで、Hは磁場強度[T]、F(=96485C/mol)はファラデー ΔE=-HΔMs/F 定数、ΔMsは電極の水素化物が水素原子1molを解離することにともなう磁化の変化であり、強磁性金属水素化物では正から負の広い範囲に渡る値をとる。 2.LaCo_5H_X、LaNi_5H_X、LaNi_4A1H_Xで電極を作製し、30wt%KOH電解液中で平衡電位に及ぼす磁場の影響を測定した。15Tまでの静磁場をパルス状に印加したところLaCo_5H_X電極については電位に磁場効果があらわれたが、LaNi_5H_XとLaNi_4A1H_X電極についてはあらわれなかった。これはLaNi_5H_XとLaNi_4A1H_Xがともに非磁性物質(ΔMs=0)であるため、電位に対して磁場が影響しなかった。LaNi_5H_Xの電位は全水素組成範囲においてΔMs>0であるので、理論通り、磁場によって卑側に変化した。室温でα+β領域のLaNi_5H_XのΔMsは8.7JT^<-1>mol^<-1>であるから、ΔMsの磁場依存性は、(1)式より電位変化ΔEは磁場強度Hに比例し、その勾配は-90μV/Tが得られる。観測されたΔEは磁場の印加方向に依存せず、±10Tで-1.0mVと、理論値-0.9mVとよい一致を示した。ΔEは10Tまで磁場強度と比例関係があったが、これ以上15Tまではその傾きが大きくなる傾向を示した。これは主にβ相水素化物の磁気モーメントが超強磁場中で増加し、ΔMsの絶対値が増加したためと考えられる。
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