研究課題/領域番号 |
04243214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
柏木 浩 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (10000853)
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研究分担者 |
佐藤 文俊 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (00235392)
岡本 正宏 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (40211122)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | タンパク質 / オキシヘム / CASSCF計算 / スーパーコンピュータ / チトクロムc_3 / イオン化ポテンシャル / ab initio RHF法 / ヘム / 蛋白質 / 分子場 / 静電場 / ab initio分子軌道法 / CASSCF法 / 電子移動 |
研究概要 |
(1)オキシヘムモデルのCASSCF計算 ヘモグロビン、ミオグロビンの反応中心であるヘム酸素錯体の電子構造を明らかにするために、原子のHartree-Fockの極限に近いbasis setからなる、369軌道によるSCF-CASSCF計算を実行した。この計算はスーパーコンピュータのベクトルプロセッサの演算性能、拡張記憶とパラレルIOの高速性を利用したものである。得られた解の主電子配置の重みはわずか68%でPaulingやWeissのモデルとは全く異なるもので、d電子分布は(d_<x2-y2>)^2(d_<xz>)^2(d_<yz>)^1(d_<z2>)^1に近い。現在、各種物理量と化学的諸性質についての計算を行っている。 (2)チトクロムc_3中のヘムのイオン化ポテンシャルの計算 チトクロムc_3は4個のヘムを持つタンパク質で4個の電子の受渡し能力を持っている。このタンパク質には32種のイオン化ポテンシャルがあるが、最近NMRの実験により全ての値が導かれた。4個のヘムすべての鉄イオンには上下からヒスチジンのイミダゾールが配位しているが、ローカルな構造も環境も互いの間でかなり異なっている。これら4個のヘムのイオン化ポテンシャルをab initio RHF法で計算した。分子軌道法プログラムJAMOLで対称性の高い構造の解を求めてから、日電基礎研で開発されたDIRECT SCFプログラムAMOSSで対称性の低い解を求めた。これまではタンパク質による静電場の計算による見積りしか行われていなかったが、われわれの結果では、最も支配的な要因は錯体の分子構造の差異そのものであり、環境からの静電場は緩和的に働いていることが明らかにされた。
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