研究課題/領域番号 |
04244100
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
吉城 肇 茨城大学, 工学部, 教授 (40044771)
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研究分担者 |
藤井 佳子 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (20159122)
樋口 正人 東北学院大学, 工学部, 教授 (60048791)
北迫 敏男 東北大学, 理学部, 名誉教授
河合 武 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20027436)
平林 洋美 高エネルギー物理学研究所, 共通研究系, 教授 (90013383)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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キーワード | 超冷中性子 / 超流動ヘリウム / 時間可逆性 / 電気双極能率 / 中性子 / 寿命 |
研究概要 |
中性子電気双極能率測定に関し、研究代表者が5月、8月に行ったガチナ、ILLの視察結果に基き、これらの研究所で行はれている測定限界と本研究との関連について分析が行はれた。測定には極めて安定した微小磁場が必要であるが従来の磁場遮蔽は常温で行はれている。このため四重のμメタルに拘らず磁場の安定性は0.1μガウスに過ぎない。計算の結果、本研究に於いては1nガウスまで安定になりうることを示すことが出来た。これによって測定装置設計の基礎が確立した。電気双極能率測定時には超冷中性子は偏極している必要があるが、冷中性子を偏極しそれを超流動ヘリウムと反応させることにより発生する超冷中性子の偏極度を求める実験が進行中である。電気双極能率を超冷中性子により測定する場合、極低温中での超冷中性子の檢出が不可能となる。このためには極低温環境に於いても十分作動する檢出器の開発が急務である。この点について東北学院大が先ず液体窒素の温度での研究を進め、フォトダイオードが液体窒素温度で作動することを示した。これに関連して超冷中性子の吸収確率が高いLi^6やB^<10>をドープしたシリコン檢出器の製作の可能性について檢討がなされた。若しこれが完成すれば中性子電氣双極能率の測定に画期的な進歩がもたらされることになる。超流動ヘリウム全立体角法による超冷中性子発生に於いては当該超流動ヘリウムの温度を少しでも低く保つことが肝要であるが、これは冷媒である液体ヘリウム3の熱伝導メカニズムに密接に結びついて居り、液体ヘリウムからの核沸騰熱伝達についての研究が行はれた。また超流動状態のヘリウム4それ自体の熱伝導度が容器の直径によってどの様な値を示すかについても測定が行はれ、これらの結果は電気双極能率測定装置の基本設計に多大の指針を与えた。
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