研究概要 |
上記課題と関連して,R^3上のYang-Mills-Higgs場と調和写像の関係を研究した。 Yang-Mills-Higgs場(A,〓)とは、R^3上のG束Pに対し、その上の接続Aと随伴束の切断〓(Higgs場という)であって、作用積分汎関数の臨界点になっているもののことである。Euler-Lagrange方程式はAの曲率と〓の共変微分に関する式で表される。 Higgs場に無限遠ゲージ条件を課すことによって、Higgs場は無限遠球面S^4_∞から構造群GのLie代数gの随伴作用軌道への写像〓_∞を定義する。随伴軌道は複素旗多様体の一般化であり、自然な不変複素溝造と不変Kahler計量をもつコンパクト複素等質空間である(コンパクト型エルミート対称空間はその例)。 (A,〓)についての漸近的条件のもとで、〓_∞の写像としての正則性、調和写像であること等の議論を行った。R^3をより一般の開完備3一多様体(無限遠境界がこの場合 コンパクトリーマン面)におきかえても同様の議論が成立。 Yang-Mills-Higgs場およびモノポールがより一般の奇数次元多様体上自然に定義されることが最近わかった。そのような一般の多様体は接触多様体とよばれているもので、モノポールの一般化等今後の研究とされる。
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