研究課題/領域番号 |
04245204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
安藤 哲哉 千葉大学, 教養部, 助教授 (20184319)
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研究分担者 |
石村 隆一 千葉大学, 教養部, 助教授 (10127970)
日野 義之 千葉大学, 教養部, 教授 (70004405)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1992年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 有理特異点 / 小特異点 / 擬微分作用素 / 畳込み方程式 |
研究概要 |
研究の目的は、素粒子論との関連で現れる無限自由度の場を数学的側面から研究する種々の素材について、代数幾何学や代数解析学の立場から、詳しく考察してみようというものであった。本年度の研究では、特異点と畳込み方程式について、興味ある結果が得られた。これらは、超弦理論、特に共型場理論やゲージ理論の中でも登場する。以下、本年度の研究により得られた主な成果を、項目に分けて逐次述べる。 (1)3次元代数多様体の有理小特異点について。特異点解消として例外集合が曲線になるようなものがとれる特異点を小特異点という。3次元有理小特異点を通る一般の曲面はそこで有理二重点を持つ。これを全空間での小特異解消まで引き戻すと、これは有理二重点の部分的特異解消で、これはディンキン図形で6種類に大別される。これが例外集合である射影直線の法線束列と関連する。本年度の研究では、法線束列をイデアル論的手法で決定し分類した。また小特異点解消Xの例外曲線Cの法線束に関すしてその法線束の次数について以下の定理を示した。余法線束I/I^2に含まれる最大なアンプル部分束J/I^2をとると2degI/J+degJ/I^2>0であり、逆にC=P^1に関しては、 【numerical formula】 をみたすあらゆる例が構成できる。dimX=3の時は2degI/J+degJ/I^2>0をみたすあらゆる例が構成できている。さらにR^1F_*O_x≠0の場合の研究が現在進行中である。 (2)擬微分作用素を正則関数に作用させる方法について。擬微分作用素の正則関数へのうまい作用構成する方法として、丁度Rhomを超局所化してμhomと看做すような操作を相対的にパラメータ付で考えることにより、ε^Rに属する相対的な擬微分作用素をD(X;Ω)の元と対応させることができて、Oに作用させることができることを、超局所解析の種々の手法を用いて示した。 (3)畳込み方式の管状近傍での解の存在と、解の接続について。まずμ*ψ=0(μは台がコンパクトな佐藤超関数,ψは未知正則関数)という形の畳込み方程式が、河合の条件Sの下に解を持つことを証明した。解の接続については、斉次方程式μ*ψ=F(Fは与えられた正則関数)の解ψがどのように解析接続可能であるかが、方程式の特性集合をうまく定義すると、それを評価することによって決定できることを示した。つまり、最初、実軸の環状近傍で存在している解が、どのように伸びてゆくか、その方向が記述できるのである。これらは、畳込み方程式の複体の超局所台が畳込み方程式の特性集合に含まれることを証明することによって得られた結果である。
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